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2011年7月26日 |
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共通番号制度 |
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社会保障の給付削る手段に |
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菅政権の政府・与党社会保障改革検討本部(本部長・菅直人首相)は6月30日、「社会保障・税の番号制度」の大綱を正式決定した。住民基本台帳ネットワークを土台とする「共通番号制」は、新たな「国民総背番号制」の導入であり、許してはならない。
消費税増税とセット
「社会保障・税の番号制度」は、国民一人ひとりに番号を割りふって所得や社会保険などの個人情報を政府が一元的に管理するもので、番号の名称は「マイナンバー」。2015年1月の導入を目指し、今年秋の臨時国会にも法案を提出する。
共通番号は、「消費税率を引き上げた後の低所得者対策に所得の正確な把握が不可欠になる」として、菅政権が「税と社会保障の一体改革」と共に制度設計してきたものだ。
共通番号を使うのは、年金、医療、介護保険、福祉、労働保険、税務の6分野。このほか東日本大震災のような大災害時には、預金の払い戻しや保険金支払いなどにも使えるようにするとし、18年をめどに利用分野の拡大も検討するとしている。
具体的には、氏名・住所・生年月日・性別と共通番号が書かれた顔写真付きのIDカードをすべての国民に交付し、行政や病院の窓口での手続き、インターネットで電子申請したり、自身の納税状況を確認したりする際の認証に使う。
政府は、「一つの番号で様々な情報を結びつけることで、課税や給付の漏れを防いで公平感を高めたり、住民票など手続き時の書類を減らしたりすることができる」と、さもいいことづくめであるように言っている。
だが、「共通番号制度」は「共通番号」をマスターキーにして国民一人ひとりの個人情報を名寄せ照合してプライバシーを丸裸にし、国民を監視・管理することが狙いだ。
「社会保障個人会計」
共通番号制度によって政府は、国民一人ひとりの負担と給付を把握することが瞬時にできるようになり、民主党がかねて言ってきた「不要あるいは、過度な社会保障の給付の回避」が可能になる。
つまり、共通番号制度は、社会保障の給付を個人が負担した税金や保険料の範囲内とする「社会保障個人会計」導入の制度設計となる。社会保障とはまったく異質のこの考え方は、日本経団連などが提言している。
「成り済まし」多発
また、共通番号は民間も含めて利用する「官民共用」のオープンな制度だ。納税や社会保障の給付の際だけでなく、銀行の取引や病院の窓口、あるいは仕事に就くとき、住宅を購入するとき、車を購入するときなど、相手方に「共通番号」を提示することになる。
国や自治体だけでなく、銀行や病院、民間企業が「共通番号」を元にした個人情報のデータベースを作成し、保有することになるのである。「共通番号」が広く官民で使われることによって、プライバシーはプライバシーでなくなるばかりでなく、他人の番号を使った「成り済まし」犯罪が多発する危険性が一気に高まる。
増税と社会保障削減のための「共通番号制度」、国民のプライバシーをはぎ取る「共通番号制度」の導入を許してはならない。
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