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2011年10月18日 |
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脱原発デモ弾圧 |
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罪に問うべきは東電や国だ |
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作家の雨宮処凛さんは、10月5日の毎日新聞「異論反論」の欄で、脱原発デモに対する一連の警察の弾圧について「街頭で声をあげることそのものがまるで『罪』であるかのように逮捕される」と批判している。デモの権利・表現の自由の侵害は許されない。
雨宮さんは続けて、「一方で、福島の子どもたちを今も被曝の危険にさらし、原発周辺に住む人たちの生活を根こそぎ破壊した東京電力や原発を推進してきた政治家などからは逮捕者など出ていないし、なんの罪にも問われていない」と怒りをあらわにしている。
原発事故は犯罪だ
まったくその通りではないか。炉心溶融という大事故に対して、「原発やめろ」という当たり前の訴えをする人々が、訴える権利が憲法で保障されているのに、道路交通法違反や公務執行妨害、公安条例違反などで規制され、逮捕されるなどということは、「民主主義国家」ではあってはならないことだ。
しかも、原発事故で膨大な放射能をまき散らし、福島の人々や国民、アジア、世界の人々、自然界に多大の迷惑と損害を与え、放射能被害によるガンなどで亡くなる人が出る危険性が多分にあるのに、東電の責任者や原発を推進した政治家、官僚が、傷害罪どころか何の罪に問われないのは正に不合理と言わざるをえない。
評論家の柄谷行人さんらは、9月26日に出した「デモと広場の自由」ための共同声明で「東電、経産省、政府は、被害の実情を隠し過小に扱い、近い将来において多数の死者をもたらす恐れのある事態を招いた。これが犯罪的な行為であることは明らか」と断罪し、デモ弾圧を厳しく批判している。
原発推進の意図が
野田佳彦首相の言うことが、就任当初の「脱原発依存」からどんどん後退し、「再稼働」を平然と口にするようになっていることと、デモ弾圧は無関係ではない。弾圧によって「原発やめろ」の声を小さくさせ、頃合いを見て、「原発推進」に戻そうという意図があるからだ。
憲法を生かす会などでつくる「福島原発事故緊急会議」も9月26日に「反原発デモに対する弾圧に抗議する」声明を出し、次のように表明している。
「私たちは、原発事故に抗議し、原発はいらない!と訴えるデモを、『社会秩序を乱す危険な行為』として敵視し、脱原発の主張を社会的に封じ込めようとする狙い撃ち的な弾圧に強く抗議する。一連の弾圧・逮捕のエスカレーションは、『原発をやめろ』の訴えがこれ以上拡大することへの危機意識にかられた政治的対応だと判断せざるをえない」
裏切りも極まった
「脱原発」を訴える無数のデモ・パレードには、高齢者や若者、小中学生、幼い子を連れた母親たちなど、被災者・避難者をはじめ様々な人々が参加し、「原発はもういらない」「福島を繰り返すな」と切実な声を上げている。デモやパレードは、これが初めてという人も多数いる。
こうした人々の悲痛な声に耳を傾けるどころか、弾圧で応える民主党政権とはいったい何なのか。国民に対する裏切りも極まったと言わざるをえない。
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