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2011年11月15日 |
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G20で「消費税10%」 |
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国際公約で強行突破を策す |
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野田佳彦首相は11月3日、仏カンヌの20カ国・地域(G20)首脳会議で、日本の財政再建の具体策として「2010年代半ばまでに消費税率を10%まで引き上げる」と表明し、「国際公約」した。消費税引き上げを外圧で成し遂げようとする思惑が露骨だ。
首相は首脳会議で、「日本の財政健全化目標達成のため、2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げることなどを定めた社会保障と税の一体改革案を具体化する」と表明し、行動計画に書き込まれた。
首相は、自民・公明の連立政権時代の所得税法附則104条を根拠に、来年の通常国会に税率と増税時期を盛り込んだ、消費税関連法案を提出する考えのようだ。
それに先だって、G20の場で「国際公約」を表明することで、国際世論の圧力によって消費税引上げを成し遂げようとの思惑を露骨に示した。しかし、国民には十分な説明もせず、10月28日の所信表明演説でも一切触れないで、いきなりG20での「国際公約」では納得できない。
不公平税制の極み
消費税は、 所得の低い人ほど負担率が高く、逆進性が強い税制であり、 日本の消費税は軽減税率などなく、生活必需品(米や野菜、肉、魚などの食品)にも同率で課税する「反福祉税」である。
さらに、 消費税負担は消費者だが、納税義務者は事業者になっており、中小業者は価格に転嫁できないため滞納が多い(08年の税滞納全体の45・8%)、 輸出戻し税制度により、3兆3762億円(10年)の税金が輸出大企業に還付されるなど、消費税は不公平極まりない悪税だ。
民主党は、09年の総選挙で「4年間は税率引き上げはしない」とした公約を反故にし税率大幅アップをするというのだが、首相は信を問う衆院選は消費税増税の法案が通ってからとする。
国民を騙してまで
社会保障と税の一体改革では、消費税アップ分で基礎年金への企業負担分(2億円)を賄わせるなど、企業負担分を国民の負担に転嫁させることが盛り込まれているが、絶対に許せることではない。
社会保障と税の一体改革では、消費税5%引上げのうち、社会保障の純粋な「充実」には消費税率の実質1%分しか回らないのに、社会保障を絡め、あたかも消費税を社会保障に使うように騙して税率アップを狙うというあくどいやり方だ。
財政悪化は、1989年の消費税導入以降、高額所得者・大資産家や大企業の税率引下げと課税ベースの縮小などの税制改定で税収を少なくしてしまったからで、無駄な公共事業などへの巨額投資のし過ぎと相まってもたらされた。社会保障費の伸びが財政悪化の理由ではないのだ。
応能負担の原則で
そうした、税制のあり方や支出を正さず、間違った処方箋で財政改善を図っても、財政立て直しはできない。
税は、応能負担(累進課税)の原則に立ち返り、高額所得者・大資産家・大企業に応分の負担を求め、大企業などへの優遇税制の是正=準備金や引当金の整理統合、連結決算制度の是正、分離課税制度廃止など=によって財源を確保すべきだ。
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