新社会党
  1. トップ
  2. 週刊新社会
  3. 道しるべ
  4. 2012.1.17
2012.1.17
12年度政府予算案
大企業のための保守本流型 

 野田佳彦首相は、2012年度政府予算案を財政再建と経済成長を両立させた「日本再生元年予算」だとする。だが内実は、民主党が掲げた「コンクリートから人へ」が「人からコンクリートへ」の逆流を含む、大企業優先の保守本流型予算である。

 

 

 予算案は、一般会計で90兆3339億円だが、別枠の東日本大震災復興特別会計約3兆8千億円、基礎年金国庫2分の1負担の不足分に充てる「交付国債」約2兆6千億円を加えると、96兆円台の過去最大規模となる。年金交付国債は、将来の消費税増税での償還を予定する「隠れ借金」で、論外の代物だ。


 
原発・宇宙関連予算


 脱原発が問われた原子力予算は、高速増殖炉「もんじゅ」を維持管理費175億円に限定、広報費全廃などの減額にとどまり、文科省と経産省分で計3405億円にのぼる。原発依存の野田内閣に対し、10兆円以上もの財政を浪費し続ける核燃料サイクル事業の即時中止など、脱原発を迫らねばならない。

 野田首相は、当初7千億円だった首相特別枠「日本再生重点化措置」を1兆578億円円に拡大した。とくに日本版GPS(測位システム)構築の準天頂衛星整備に執着し、特別枠41億円を含む106億円が計上された。情報収集衛星用に40億円の特別枠も組み、経済・軍事上での宇宙利用に本格参入する意図が見える。


 
歳入の半分は借金で


 一般会計歳入では、その49%を新規国債44兆2440億円で賄う。税収42兆3460億円を超え、国債収入が3年連続で税収を上回る。累積の国債発行残高は12年度末で約709兆円に達し、借入金などを合わせた「国の借金」は1千兆円を突破する。

 政府・財界・マスコミは、財政危機解決には消費税大増税しかないと宣伝している。だが一般会計歳入において、11年度補正後比で、消費税は2240億円増収予定なのに、法人税はわずか10億円の増収だ。法人税率が、昨年の税制改悪で、30%から25・5%へ下げたせいだ。

 社会福祉充実・財政抜本改善は、憲法を活かす庶民生活本位の政権樹立を通じてしか実現しえない。

 ↑上にもどる
一覧へ
トップへ