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2016.10.11
政務活動費不正
繰り返され背信・詐欺行為
 

 
 いつまで繰り返すのだろうか。富山市議会で白紙領収書を小切手のように使って政務活動費を不正請求し、9月末で11人もの議員が辞職に追い込まれた。来年4月の本選挙を前に補欠選挙が行われる。市民にとっては踏んだり蹴ったりだ。


 不正請求ボロボロ


 富山市議会で、議員報酬を月額10万円引き上げて70万円にすることを決めた今年6月議会、それを取材していた北日本新聞社の女性記者を自民党会派会長の議員が、押し倒して取材メモを取り上げる事件が起きた。
 同社は被害届を出し、市議会の政務活動費の領収書を徹底調査したら、偽造領収書やカラ出張等による不正請求が明らかになり、自民党など11人が議員辞職に追い込まれた。不正請求は3300万円に上るという。
 大阪府の東大阪市議会で14年に議長及び副議長が辞任、1人が議員辞職に追い込まれた時は、不適切使用だった。議会各会派が自主返納した5年間の総額は3880万円余り。市長が監査要求する事態となっている。
 ちなみに富山市議会の政務活動費は月額1人当たり15万円で、さらに会派の人数によって月額15万円から45万円が会派単位で支給されている。東大阪市議会は月額1人20万円である。
 市民の税金からなっている政務活動費は本来、@実費弁償、A必要性・妥当性、B証拠主義、C透明性の各原則の下に、行われた政務活動が市政・市民のために有効であったかどうかが問われる。


 本丸は政党助成金


 しかし、富山や東大阪の市議会が犯したような小悪は叩き易い。年間320億円の政党助成金こそ政治腐敗の巨悪・本丸であることを忘れてはならない。94年の政党助成法は、国が政党に助成金を交付することによって政党の政治活動の健全な発達の促進や、民主政治の健全な発展に寄与することを名目としている。
 しかし、廃止するはずの企業・団体献金はいまだに温存され、交付金の配分も単に得票数ではなく、小選挙区制による歪んだ当選議員数が影響するため、金額そのものも民意を反映していない。
 同時に導入された小選挙区制度もあって今日の一強多弱の国政ができ、数の力で大企業優先の政策を推進し、憲法すら歪めている。また、国民が変革を求めても諦めが先に立って、最近の国政選挙の投票率は50%そこそこである。
 その上、この政党助成金など一連の制度が、小政党や新たな政党の進出を阻んでいる。選挙費用(ポスター、ビラ、広告代など)は公費負担が原則だったが、その足切りを強めたために一定の得票率未満の候補者は公費負担の多くを受けられなくなった。 世界で例を見ない高額な供託金と、歪んだ公費負担制度が、民衆の政治参加を阻んでいるのは明白だ。政務活動費の不正使用問題で終わらせてはならない。


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