新社会党
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2016.11.15
「パリ協定」発効
醜態さらした反動・安倍政権
 

 
 安倍政権はこの1カ月、世界に2度も大恥をさらした。核兵器禁止条約の制定交渉を17年に開始する決議に反対し、地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」の承認が発効に間に合わなかった。反動政権を象徴する醜態である。
 核兵器禁止条約の制定交渉開始の決議について新社会党は、国連委員会で採択された日(日本時間10月28日)に「唯一の戦争被爆国としてあるまじき態度」とする声明を出して批判したが、「反対」はヒロシマ・ナガサキ・フクシマの心を踏みにじり、核兵器廃絶を願う世界の人々を裏切る暴挙だ。


 優先順位も見えず


 パリ協定は10月4日、97カ国の加盟国で発効し、世界全体の温室効果ガス排出量に占める割合は7割に達した。日本は同じ日に開く衆院本会議で承認案を全会一致可決する予定だったが、政府・与党がTPP関連法案を衆院特別委で強行採決したことから本会議が開けず、8日にやっと承認する醜態をさらした。
 恥の上塗りもいい加減にしたらどうかと言いたい。「決められる政治」を豪語し、暴走する安倍政権にはプライオリティ(優先順位)さえ見えないらしい。政治の劣化もここまでくれば、開いた口を通り越して空恐ろしくなる。漫談家あさひのぼるさんの決め台詞ではないが、「そうだろ!みんな!」。


 ミス隠しの居直り


 パリ協定に関しては、10月7日から18日の日程でモロッコのマラケシュで始まった国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(加盟197カ国・地域、COP22)で、締約国の初協議(CMA1)が政府やNGO、報道関係者ら2万人が参加して開かれている(CMA1は15日から開催)。
 日本は正式参加の期限だった先月19日までに承認できなかったため、議決権を持たないオブザーバー参加となっている。そもそも日本政府が協定の「批准案」を閣議決定したのは批准手続き締め切り日が8日後に迫った10月11日。この時点でオブザーバーは確定的だった。
 COPとCMAではともに、「各国の温室ガス削減目標をどのように検証していくか」といったパリ協定の具体的なルール作りが議論されるが、最終的にルールを決めるのはCMAだ。ルール採択には時間がかかることが想定され、今回のCMAではまとまらないとみられるが、「(議決権がなくても)大きな影響はない」(菅偉義官房長官)という態度は、ミス隠しの居直りと言わざるをえない。


 排出量実質ゼロに


 パリ協定は昨年12月、パリで開かれたCOP21の締約国会議で京都議定書と同じ法的拘束力の強い協定として採択された。合意内容は、全体目標として掲げる「世界の平均気温上昇を2度未満に抑える」に向け、世界全体で今世紀後半には、温室効果ガス排出量を実質的にゼロにしていく方向を打ち出している。

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