トランプ氏の米大統領選勝利は、東日本を襲った大津波に似ている。トランプ津波は、TPPという日米の中国包囲網(堤防)を破壊し、多国籍企業の度肝を抜いた。政府は直ちにTPP関連予算を組み換え、協定から撤退すべきである。
トランプ津波の震源は産業の空洞化で失業と貧困に喘ぐラストベルト地帯(北米の製造業地帯)の貧困層、下流白人層といわれる。
トランプ氏は米国中・南部の伝統的共和党支持(農林業)地帯を背景に、「アメリカ第一主義」を掲げ、強烈な移民・イスラム排除、脱TPP、脱NAFTA(北米自由貿易協定)、シェール革命、安保見直し、パリ条約脱退、大減税などをアジって当選した。
矛盾と欺瞞に満ちたトランプ氏の主張が受け入れられたのは、格差や貧困のひどさ、民主党やオバマ政権に裏切られた市民、労働者の不満、クリントン嫌い、反グローバルが充満していたからだ。従ってトランプ氏の政策は長続きせず、さらに大きな矛盾を生むことになるだろう。
離脱宣言の実行
さて、トランプ氏が宣言した大統領就任当日のTPPからの脱退は間違いなく実行されるだろう。TPPからの脱退は、選択の問題ではなく確信だといえる。なぜならトランプ氏は、共和党の基盤が農林業地帯(ア トランプ津波の震源は産業の空洞化で失業と貧困に喘ぐラストベルト地帯(北米の製造業地帯)の貧困層、下流白人層といわれる。
トランプ氏は米国中・南部の伝統的共和党支持(農林業)地帯を背景に、「アメリカ第一主義」を掲げ、強烈な移民・イスラム排除、脱TPP、脱NAFTA(北米自由貿易協定)、シェール革命、安保見直し、パリ条約脱退、大減税などをアジって当選した。 矛盾と欺瞞に満ちたトランプ氏の主張が受け入れられたのは、格差や貧困のひどさ、民主党やオバマ政権に裏切られた市民、労働者の不満、クリントン嫌い、反グローバルが充満していたからだ。従ってトランプ氏の政策は長続きせず、さらに大きな矛盾を生むことになるだろう。
離脱宣言の実行 さて、トランプ氏が宣言した大統領就任当日のTPPからの脱退は間違いなく実行されるだろう。TPPからの脱退は、選択の問題ではなく確信だといえる。なぜならトランプ氏は、共和党の基盤が農林業地帯(アメリカ中・南部)であること、NAFTAや米豪FTA(米豪自由貿易協定)では農民がカナダやメキシコ、豪からの鶏肉、豚肉、牛肉の輸入拡大に大きな不満を持っていることを知っている。そしてTPPはその現実を継続し、問題をより大きくすると思っているからだ。 安倍政権は協定批准を強行したが、ベトナムは見送り、マレーシアはRCEP(中、印、韓国、豪、ZD、日本+ASEAN)に力点を移し、ペルーは「アメリカ抜きのTPP協定にしては」と言い出す始末。TPPはすでに漂流している。
日本政府がTPP批准にこだわればこだわるほどアジアでの孤立を招き、RCEP交渉で先手を取られ、不利になるだけである。
トランプ氏は、2国間交渉を望んでいる。アメリカの農業者、アグリ資本、輸出産業(医薬品、医療機器、金融保険、投資産業など)の利益を守るためにTPP交渉以上の譲歩と負担を求めてくることは間違いない。また、TPP参加国の対日要求も自国の要求に上乗せして輸入枠の拡大を求めてくることもありうる日本が一番大きな市場であり、アメリカを満足させてくれる国だからである。
日本を壊す協定 TPPは「日本を壊す」協定だが、日本は批准した。我々は農畜産物のこれ以上の自由化を認めず、農業・食料主権を確立し、食料自給率を向上させるため、格差と貧困を生むグローバルリズムに抗して国民の生命と健康、環境、文化を守る公平公正な貿易ルールの確立を求める。
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