第48回衆議院総選挙は10日公示される。解散後、民進党が希望の党に合流し、国会が改憲二大政党に占拠される恐れが強まる。新社会党は兵庫9区のきくち憲之候補を先頭に、各地で改憲阻止・生活擁護の候補者を支援し全力を尽くす。総選挙の最大の争点は憲法だ。元民進党候補者の多くが改憲や戦争法容認という踏み絵を踏まされて希望の党から立候補する。民進党やその関係団体の中に、市民と野党の共闘の分断を狙う勢力がある。その狙いは改憲二大政党制である。
「安倍首相は暴走が過ぎる。それを牽制するには対抗する勢力が必要」との認識があるのかもしれない。それは違う。
そのシナリオを選挙で許せば、衆議院は改憲二大政党が圧倒的な勢力を持ち、その他の改憲勢力もあり、公明党も憲法問題で躊躇できなくなる。憲法改悪に向けて右へ右へと競い合うように流れるのは間違いない。
国鉄「改革」と同じ
今回の民進の希望の党への解党的合流は、30年前の国鉄の分割・民営化を想起させる。国鉄を解散させ、JRへの移行は思想で労働者を選別した。それを契機に労働運動は後退し、総評はつぶされた。その影響は日本社会党にも及び、護憲勢力は大きく後退して今日の政治・社会状況がある。
しかし、希望の党への降伏的・屈辱的合流をよしとしない民進党内リベラル派は、政治信条をかけて立候補する。市民と野党の共同運動を積み上げてきた立憲野党はそれを歓迎し、自主的に立候補調整を行い、統一候補者に準じた支援の動きを見せている。市民連合もその姿勢を歓迎している。
新社会党は各地の市民連合との積み上げと信頼関係を堅持して、安倍首相や希望の党の小池代表の思惑を明らかにし、全力で闘う。その先頭に兵庫9区のきくち憲之候補が立つ。
世論はアベ政治にノーを突きつけている。英国のメイ首相の二の舞を安倍首相に演じてもらおうではないか。民意は希望の党の小池百合子代表の醜悪な権謀術数や、芝居じみ、演出がかった主役顔も快く思っていない。
アベ政治から脱却
何よりも安倍政権の4年9カ月を見れば、雇用と暮らしは好転するどころか、不安が増大するばかりである。ひとりグローバル大企業と経営者、それに連なる投資家が豊かになっただけである。その上、近隣諸国との軋轢を増大させ、戦争する国、憲法改悪を追求している。今、政治に求められているのは不公平な税制を是正し、貧困からの脱却・解放に向けて、雇用、社会保障の流れを逆転させることだ。
平和的な生存権を守るために、朝鮮半島問題は脅しと武力拡大を止めさせ、平和共存を図る外交に転換させなくてはならない。
資本主義の限界は明らかだ。欧米や韓国では民意が反撃を始めている。私たちもそれに続こう。
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