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  4. 2020.05.19
コロナ災害と女性
差別NO!の声を大きく
 
 人が暮らしていくことを支える様々な社会体制の脆弱さ、生じる格差と貧困を自己責任と放置してきた結果が、コロナ禍で鮮明だ。感染リスク、休業等による生活不安は、弱者ほど強い。

暮らし支える女性
 医療従事者、介護労働者、保育、学童保育労働者、スーパーマーケットの従業員などは、緊急事態宣言を受け多くの事業者が休業する中にあって休業の対象から外れ、生活を支える仕事として連日出勤を続けている。

 その従事者の多くは女性である。さらに言えばその大半が非正規、低賃金労働者なのである。

 従来から少ない人員配置で、時間外勤務、サービス残業が横行し、急に体調を崩しても突発の休暇が取りにくいと問題になっていた仕事である。マスクや消毒剤の調達まで自己努力を余儀なくされている現状の中、いわゆる「三密」状態で新型コロナウイルス感染の危険は高い。

 ケア労働の多くを女性が担い、その賃金は極めて低く、社会保険などの枠外に置かれてきたこと、「代わりはいつでも、どこにでもいる」と使い捨てにされてきたことが、コロナ禍で浮き彫りになっている。疲弊を防ぐ労働条件の改善と危険手当などの支給が切実に求められており、急がれる。 

女性と子ども守れ
 一斉休校が事前の手立てもなく始まり、長期化している。ユニオンへの相談でも明らかだが、突然休業通告され、収入が途絶えた親もいる。多くが非正規労働者である一人親家庭では、家庭で子どもをみることは収入が途絶えるということだ。明日が見えない不安が続く日々は、人を荒廃させる側面を持っている。

 欧米ですでに明らかになっているが、家庭に籠るようになってDVが急増している。政府や自治体が日常から問題視し逃げ込む窓口を設けていればまだしも、日本は個人の問題として救済の窓口が極めて少ない。

高齢者・障碍者も
 被害者のほとんどは女性であり、子どもである。この人たちを徹底して守らなければならない。

 地域の「居場所」を閉鎖せざるを得ない状況は、低年金でギリギリの暮らしの高齢女性や障碍(がい)のある人たちから人間性を奪いかねない。公的な保障を削り、民間ボランティア頼みのサービスの限界である。

 コロナ禍を生き抜くために必要なことは、人間らしく生きる権利に差別をつけさせないことだ。「差別を許さない」と声を上げ、声を大にして要求しよう。
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