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  4. 2020.08.18
最賃据え置き「答申」
コロナ渦 生活守れない
 
 中央最低賃金審議会は722日、「引き上げ額の目安を示すことは困難であり、現行水準を維持することが適当」として、2020年度地域別最低賃金の目安を示さない不当な答申を行った 

コロナ渦を口実に

 コロナ渦は低所得者層ほど強く影響を受け、収入が低下したことが明らかになっている。経営側の「雇用を優先」に押し切られた最賃据え置きは許されない。

 現在の最賃が1000円を超えているのは東京都1013円と神奈川県1011円で、加重平均の901円を超えるのは埼玉、千葉、愛知、大阪、京都の7都府県に過ぎない。

 しかも、800円に満たないDランクが17県もあり、沖縄県をはじめ15県は790円で東京都との格差は223円もある。格差はこの13年間で、109円から倍以上になった

食えない最賃水準

 一握りの大企業が莫大な利益を上げ、株主配当と内部留保を拡大する一方、圧倒的多数の働く者の生活は苦しくなっている。非正規労働者は全労働者の4割、年収300万円未満の労働者は6割余。

 最賃全国平均時給901円でフルに働いても年収173万円余。「今すぐ1000円」で働いても192万円、ワーキングプアはダブルやトリプルワークをせざるを得ない実態だ。

 「最低生計費試算調査」では、若者が自立して暮らすには、全国どこでも月額2225万円(時給1500円程度)が必要だ。そのため労働者が都市部に流出し、地方経済の疲弊が加速している。今こそ、最賃引き上げで生活水準の底上げが急務となっている。

 最賃引き上げのための中小企業支援に仏22500億円、韓国9800億円、米8800億円、日本は87億円(13年〜15年)と極端に低い。中小企業・小規模事業所に最賃引き上げ保障の財政措置をさせる運動が急務

25条基準に法定化

 最賃は、憲法25条「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」(生存権)、「国は、すべての生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」(国の義務)を基準に法定化すべきである。

 今後、中央最賃の答申を受け、8月中には地方最賃審議会で決まる。新社会党の今年度の制作ポスターは『生きる』である。最賃キャラバンや自治体交渉等の闘いを強化し、最賃の地域間格差の是正・全国一律最賃・「8時間働けば生活できる賃金」の実現に全力を上げよう。

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