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2012. 08.28
米韓合同演習
北東アジアの不安定要素


 
 米韓両軍は8月20日、朝鮮半島有事を想定した米韓合同演習ウルチ・フリーダム・ガーディアン2012を始めた。国連派遣の豪、英、仏、カナダ、ニュージーランド、デンマーク、ノルウェーの7カ国と中立国監視委員会の要員も参観し、米軍兵員3万人、韓国軍兵員5万6000人を動員して31日まで続く。

 米韓連合司令部は「戦闘態勢・抑止力強化」「例年の防衛的演習」と説明しつつ、実戦的シナリオに沿って中央政府と地方自治体の約3500組織、41万人の民間人も参加させている。韓国軍当局は、イ・ミョンバク大統領の独島(日本名・竹島)訪問問題で日韓関係が緊張する中で島の防衛訓練は9月に延期し、米韓演習に集中するとしている。

 
 朝鮮民主主義人民共和国は国防委員会が7月29日に「米国の対朝鮮敵視政策」に抗議する声明を発表し、8月6日には板門店の朝鮮人民軍が「侵略戦争演習」と非難する抗議文を米韓連合軍あてに出した。労働新聞は「核戦争の危険を高める攻撃的演習」と強調している。8月中、冷戦構造の残る北東アジアの政治情勢は緊張した。日本政府は米中韓駐在の大使をそろって交代させ、領有権問題では韓国との間だけでなく、尖閣諸島問題を巡って日中関係をも悪化させている。


 一方、ロシア極東・中国東北地方・環日本海地域で中・朝・ロシア・韓・日間の資本の相互経済協力が進展している。来月にはウラジオストク市でアジア太平洋経済協力会議(APEC)サミットが開かれる。広大な面積と人口、経済力が集中するこの地域を視界にいれつつ、オバマ政権は「アジア太平洋シフト」外交を通じて覇権を確立し、米系資本の積極的関与の道を開こうとしている。

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