インドのマルチ・スズキ・インディア社マネサール工場は8月21日、1カ月のロックアウトを解除、「暴動に関与した正規職員546人を解雇」し、操業を再開した。同工場では7月18日、暴動が起き、1人が死亡、100人以上が負傷、逮捕者は134人(労組委員長・書記長含む)にのぼった。州政府は警察官1200人を配備、会社は民間の武装警備員50人も雇った。
鈴木修スズキ会長は「撤退しない、事業計画に変更はない」と発表。マ社はインド最大の自動車会社で年間55万台を生産、同工場には約3000人の労働者(うち1600人は正規雇用)と700人の事務職員が働く。低価格の実用的小型車を販売、市場シェアは54%である。
スズキは80年代にインド政府との合弁企業から出発、増資して子会社化、デリー市郊外グルガオンと西部グジャーラト州の3カ所に工場を持ち、日本のインドビジネスのトップを走る。しかし、ストは頻発、昨年は6月からのストで33日間のロックアウト、7?9月の生産台数は2割減であった。今回の指名解雇を受けて、マルチ・スズキ労組(MSWU)は職場復帰を求める提訴を準備し、グルガオン工場では連帯の抗議活動が始まっている。国会では左派政党が問題を取り上げるよう求めている。
合弁企業から子会社にさせるまでにスズキはインド政府を訴え、さらに国際仲裁裁判所に提訴して今日に至り、現場では会社に従えない労働者は雇わない方針で、工業省を巻き込み、効率経営を実施している。
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