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2012. 09.18
ドイツ メルケル政権
核兵器撤去計画を取り止め


 
 ドイツのメルケル政権は国内に残る米核兵器の撤去計画を取りやめ、ドイツ空軍管理下に置くとともに、核兵器及び運搬手段である航空機の性能を向上させる決定をした。24年までの整備予算は2億5000万ユーロ、性能アップのコストは約60億ドルと概算されている。09年の公約の破棄である。


 現在、欧州ではイタリア、ベルギー、オランダ、トルコと並びドイツ各国の空軍基地に米戦術核兵器が保持され、独西部のビュッヘル空軍基地には10?20基のB61型核兵器が配備され、全ドイツでは100基超あると言われる。米国防総省は戦術核を新規交代させ、精度を高め、戦略核へ移行する計画であり、独政府はNATOの抑止計画に準じていると説明している。


 さらにドイツはイスラエルに協力してこれまでに潜水艦3隻を建造、現在、キールで核装備の巡航ミサイル搭載潜水艦(複数)を新たに建造中で、17年に引き渡しとなる。メルケル政権は建造費の3分の1 (1億3000万ユーロ)を自国が負うばかりでなく、イスラエル側からの支払い猶予期間を設ける優遇措置に同意している。


 また欧州第2の軍産複合体である仏、独、スペインの合弁企業のEADS社は独航空宇宙局とダイムラー・グループの管理下にあり、M51核ミサイルを製造しており、ドイツは見えない核保有国、生産国になっている。「NATO攻撃計画」によれば、核の標的はイラン、シリアを含む中東地域とロシアである。「核のない安全な欧州」はますます遠のいている。

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