2014年末、米軍をはじめ外国軍は特殊部隊・アフガン国家治安部隊(ANSF)訓練部隊以外はすべて撤退する予定だ。15年以降を目指すかのようにイラン、インド、中国など近隣諸国が関与を深めている。豊かな天然資源開発と鉄道・道路・港湾建設、社会経済政策支援である。
イランは自国南東部チャバハル港(自由港)の拡大整備とヘラートまでの鉄道建設を進めており、インドは昨年、バーミヤン近郊のハジガック鉄鉱石鉱山開発と搬出のための鉄道建設事業を国際入札で獲得した。アフガンの物資はイラン経由でアラビア海に出る。
今年5月にはトルクメニスタンのガス田からアフガニスタン経由でパキスタン・インドを結ぶTAPIパイプライン計画が各国政府間で合意に達した。エネルギーの大消費地インド経済を支える。ニューデリー/カブール間の距離は1000キロ、インドは幹線道路整備・送電網敷設にも多額の支援をしてきた。
中国は07年からロガル州の銅山開発に着手、昨年からは石油・ガス開発を北東部州で探査・掘削を行っている。また今後4年間に300人のアフガン人警察官研修生を受け入れる予定だ。
今年6月の上海協力機構(SCO)首脳会議で胡錦濤主席はアフガンの「平和再建」を訴えた。同時に会議はシリアへの軍事介入、イラン制裁に反対を表明した。SCOは01年にソ連解体後の国境安保体制の強化をめざして設立されたが、中央・南西アジア地域で米・NATO西側同盟をけん制する役割を果たしている。
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