90年代の湾岸戦争とバルカン戦争で使用された劣化ウラン弾を引き継いで、濃縮ウラン弾が戦域で使用されている。劣化ウラン弾は91年、イラク南部の都市バスラで米軍によって大量に使用され、住民に癌、死産、障がい児の出生を多発させている。
しかし、イラク・ファルージャの住民の髪の毛、土壌、水の調査からは人工の濃縮ウランが検出された。住民の癌・白血病、先天性奇形児、1000人当たり80人の乳児死亡率が見られ、「遺伝子損傷が極めて高く」(英クリス・バズビー博士)、顔・頭の奇形、腕が3本、臓器の変形、脊髄・脳に欠陥をもつ子どもの痛ましい症例が発表されている(英ロバート・フィスク記者)。
両都市の住民の髪の毛、つめ、歯からは鉛と水銀も検出され、有毒重金属を含んだ弾丸・爆弾の使用が明らかにされ、現代兵器がいっそう無差別兵器化している事実を証明している。
こうした中で世界最大の米大使館がバグダッドにオープンしている。敷地面積42ヘクタール(バチカン市に相当)、発電所・上下水道設備を備え、正職員1000人、警備など他のスタッフ3000人を抱えると同時に、昨年12月の米軍撤退後も相当数の海兵隊を駐留させている。
9月は過去2年間で最悪の治安状態であった。死者数は公式発表で365人、脱獄事件も発生した。10月27日の犠牲祭2日目には子どもの公園でも爆発があり、数十人が死亡した。治安悪化と基本的行政サービス欠如への政府に対する住民の不満は渦巻いている。
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