イスラエルのネタニヤフ首相は来年秋の任期満了を待たずに去り10月16日に国会を解散、総選挙が1月22日に行われる。右傾化する世論から与党右派リクードが議席増で第一党となる見通しで、欧州危機の影響で経済が低迷、失業・移民による犯罪の高まりから国内の再建政策および外交的には対イラン政策が選挙の焦点となる。
こうしたなか、11月中旬からガザへの空爆・地中海海上からイスラエルによる大規模的攻撃が連日続いている。乗用車で走行中の政治指導者がピンポイント攻撃で殺害され、内務省庁舎・テレビ局・住宅が空爆され、民間人死傷者を多数出している。
イスラエル側は攻撃を「防衛の柱作戦」と命名、飛来したミサイルを迎撃する新たな防空システム「アイアン・ドーム(=鉄のドーム)」を使用、外相は地上戦の可能性も示唆している。軍事力はパレスチナを圧倒的に上回っている。
ガザ地区は地中海に面した長方形の地域で面積365平方キロ(東京23区より小さい)、人口170万超、高い人口密度、長期にわたる経済封鎖と軍事攻撃により産業は壊滅状態にあり、市民の8割が食糧援助に依存。1967年以来、航空管制権・沿岸航行権はイスラエル管理、検問所はイスラエル・エジプト管理、空港も損壊状態のままである。
国連・近隣アラブ諸国が休戦に努力しているが、ガザ侵攻は日常的に行われてきており、イスラエルは米政治戦略を反映しつつ動いている。
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