12月5日、米国はオバマ政権成立以来4回目、通算27回目の臨界前核実験をネバダ砂漠の地下実験場で行い、成功と発表した。実験は「ポラックス」と命名、エネルギー省は「核兵器の安全・効力を維持するデータを得るため」。核安全保障局(NNSA)は「核兵器の安全・確実・効果的な貯蔵」が目的の実験であると述べた。
今回の実験は高性能化学爆発物による衝撃にプルトニウム239がどう作用するかを試したもので、ネバダ国家安全保障サイト(NNSS)、ロスアラモス国立研究所およびサンディア国立研究所が合同で行った。米地下核実験は1945?92年の間に1032回、97年から連鎖反応に達しない臨界前核実験が行われ(国連)、データは現存核弾頭の安全性と信頼性を試験するだけでなく、次世代核弾頭の開発にも使われている。
イラン外務省は「実験は世界の平和と安定を空洞化させ、核軍縮に対する米国の偽善性を示している」と非難した。また国連総会では12月3日、イスラエルに対して「NPTに滞りなく加盟し、IAEAによる核施設の視察受け入れを要請する決議」が174対6で可決されたが、米は反対した。
また、12月中旬にフィンランドで開催が予定され、全アラブ諸国とイランが出席する「中東の非核地帯に関する高官級会議」に米は11月中に欠席を表明、会議は来年に延期された。
米政府は「核のない世界」と言いつつ「いつでも使用可能」状態にし、イスラエルの核兵器保有を暗黙に了解している
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