新社会党
  1. トップ
  2. 週刊新社会
  3. 世界の動き
  4. 2012.12.25
2012.12.25
南京大虐殺75周年 
日中戦後史の未解決問題


 
 12月13日午前10時、中国江蘇省南京市で南京大虐殺75周年の追悼サイレンが鳴り響いた。これを合図に市内で船舶・自動車・電車のクラクションが鳴りわたり、慰霊祭や法要、平和集会などの行事が始まった。イベントには中国内外から約9000人が参加し、南京市に近い揚州市ではろうそくで「南京300000」という文字が地面に描かれた。


 新華社通信は「75年前の12月13日、中国侵略日本軍が南京を占領し、その後の1カ月余りの期間に30万人以上の無抵抗な一般庶民と無武器の中国人兵士に血なまぐさい虐殺を行った」と報道、中国は歴史を忘れず、75年後毅然と立ち上がったと論評した。


 追悼行事が始まったほぼ同時刻に中国国家海洋局の監視用小型プロペラ機「Y12」1機と海洋監視船が尖閣諸島(釣魚島)の海空域に入った。定例記者会見で中国外務省副報道局長は「中国の空域を飛ぶのはまったく正常なことだ」と発表した。これに対し、日本では自衛隊のF15戦闘機と早期警戒機が緊急発進され、記者会見で藤村官房長官が「主権侵害に断固たる対応をとる」と述べた。また東京の靖国神社前では抗議デモをした香港出身の中国人2人が逮捕された。


 日本の対中関係は戦後の未解決歴史問題を抱えながら、「米国の傘」の下で中国の急速な経済発展へ「乗り入れた」矛盾の中にある。日米安保条約第5条がこの領土問題に適用され、問題は「アジア太平洋回帰」戦略の中で動いている。

 ↑上にもどる
一覧へ
TOPへ