安倍首相が年始にオマーン、コートジボワール、モザンビーク、エチオピアを訪問した。「資源外交」「中国のアフリカ進出牽制」などと報じられる中、訪問団は大企業の代表者を率いた官民一体の大使節団となった。投資ブームに乗り、エネルギー開発・農業開発に関わり始め、今回の訪問では大型ODAも約束した。
米国はブッシュ政権後期に米アフリカ軍(AFRICOM)を設置したが、いずれのアフリカの国も本部を置きたがらなかったため、現在は独シュトゥットガルトが本拠地である。
また、米陸空海軍および海兵隊と連動し、西アフリカからマダガスカル、インド洋のセーシェル諸島までを管轄、持続的安保関与を使命としている。フランスは旧宗主国としてコートジボワ―ル、セネガル、ガボン、中央アフリカ、チャド、ジブチに地上軍をおいている。ロドリゲスAFRICOM将軍は「マリ、南スーダン、ソマリア、中央アフリカに国際的関心を注がなくてはならない」と述べ、南スーダンでは米特殊部隊が活動していることも示唆した。
こうした大国による「危機管理」の下で生命の危険にさらされるのはアフリカ諸国民自身である。住民は難民となってマリからモーリタニアやニジェールに、南スーダンからウガンダに、ソマリアからケニア、エチオピア、イエメンに、中央アフリカからコンゴ、チャド、カメルーンへと流入、紛争は周辺諸国をも不安定にさせている。
軍事介入と投資活動、資本の論理は21世紀も変わらない。
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