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2014.02.11
 
タイ総選挙 繰り返される反政府デモ


 
 タイで下院選挙(定数500)が2月2日に行われた。現政権支持者の多い北部・東北部では支障なく投票が行われたが、首都バンコクと南部9県では反政府デモ隊による妨害で投票が行えなかった。最大野党の民主党は総選挙をボイコット、反政府抗議行動に参加した。
 選挙管理委員会は、全選挙区の1割以上の投票所で妨害があり、最終結果は確定できないと発表した。抗議活動は首都の官庁街に集中しており、中長期的には沈静化に向かうと予想されているが、混乱は終結しそうもない。


 インラック政権は11年8月に成立、現在の混迷は06年から引き続くものである。兄であるタクシン氏は01年から06年まで首相に就いていたが、自らの通信事業の会社売却で批判を受け、政治が混迷する中で国連総会出席中の軍事クーデターで亡命、本人不在のまま汚職で有罪判決、今も帰国できない状態にある。
 在任中は農村振興策、麻薬撲滅、低額医療制度などを進めて農民・貧困層から支持を受けた。今回の選挙もそれが反映された。軍指導部も投票、クーデターの可能性は低いと見られている。


 一方、反政府デモ側は「選挙は失敗、勝利した」と宣言、今後は憲法裁判所などを使って政権打倒に動こうとしている。しかし、首相が退陣しても選挙によらない暫定政権移行を表明しており、デモ参加者の中に不安が広がっているが、支援資金は潤沢だ。「国王を元首とする民主主義統治慣習」が基本にある立憲君主制下で市民の民主主義が試されている。(

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