米軍核弾頭搭載の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を運用する空軍基地で、技能習熟試験でのカンニングが発覚し、92人が職務停止処分を受けた。モンタナ州マルムストロム基地の核ミサイル管制担当の将校40人がスマートフォンを使って解答を送受信、52人は不正を知りながら見逃していた。
ICBM部隊所属将校は約500人、2割が関与していたことになる。不正行為は薬物所持疑惑の調査の過程で浮上した。1月30日、ジェームズ空軍長官が記者会見で発表した。米軍核ミサイル部隊では昨年、ノースダコタ州マイノット基地でも定期技能審査で不正行為が見つかっており、構造的な問題が指摘されている。また、2月4日には海軍でもサウスカロライナ州チャールストンの研修施設で原子力空母などの原子炉操作に関する筆記試験の際、30人以上がカンニングに関わったことが発覚した。相次ぐ不祥事に管理体制への信頼が揺らいでいるが、ジェームズ長官は核の管理に影響は無いと言明している。
また同4日、マッキャスキル上院議員が陸軍の「リクルート支援制度」を告発した。これは退役軍人や民間人が「リクルーター」になり、家族や友人を紹介した場合に2000〜7500ドルを受け取る制度だが、開始された05年から12年までに不正受給は2900万ドル超に上ったと批判された。
調査は16年まで続く予定だが総額は1億ドルに達するだろうと見られている。この制度で募集された兵士は15万人、全体の約40%を占めた。
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