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2014.04.01
 
クリミア自治共和国 米欧とロシアの対立鮮明


 
 ウクライナの自治共和国クリミアはキエフでの政権退陣を経た3月11日、最高会議(国会)が圧倒的多数で独立宣言を採択、セバストーポリ特別市の市議会もこれに同意した。16日にはロシア編入か、ウクライナ帰属を定めた92年憲法を支持するかで両地域で住民投票が行われ、投票率8割以上、そして9割以上の圧倒的賛成でロシアへの帰属が支持された。
 クリミア地方は歴史の経験からロシア人住民が多数の地域であり、ロシア語公用化は重大な問題である。20日、21日にはロシアの下院・上院ともに編入の連邦法を承認した。


 米欧側は旧ユーゴスラビアのコソボ独立の場合とは異なり、住民投票結果を認めず経済制裁措置をとろうとしている。しかし、ロシアとEUとの経済関係は強く、ロシア産石油・ガスはパイプラインを通じてウクライナを通過、欧州でのエネルギー消費量の3〜4割を供給している。また、制裁は欧州側にも損害が出るため、ロシア政権担当者に対する渡航禁止や資産凍結の効果は限定的である。
 一方、ウクライナ新政権は19日からロシア系市民にビザ取得を義務づけ、ロシアとの国境地帯に兵員を増員、検問を強化している。東部でも領土保全に不安定要因が出はじめ、情勢は急速に動いている。


 クリミアでは駐屯ウクライナ軍部隊がロシア帰属を表明するなど解体が進んでいる。セバストーポリ特別市は18世紀からロシア黒海艦隊の基地であり、2010年に両国政府は42年までの駐留で合意している。

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