マレーシア・クアラルンプール発北京行きのMH370便が人為的に進路を変え、インド洋へ向かったが消息不明となって1カ月が経とうとしている。インド洋南部、オーストラリア西方海域で日本の海自哨戒機P3Cも参加して機体残骸の捜索が行われている。
一方、捜査を巡り米当局とマレーシア航空事故調査担当局が相互不信にあり、事故原因の手がかり究明に支障が出ているという。
インド洋は「モンスーン(季節風)の海」として、紀元前から通商の道であった。風と海流を利用して古代からインドネシアからマダガスカルまでの海路が開かれており、点在する島々の住民はインド、アフリカ、欧州からの人的移動の中で文化・宗教を育んできた。15世紀以降はポルトガル、蘭、仏、英がこの地域を支配してきた。
チャゴス列島の環礁であるディエゴ・ガルシア島は「英領インド洋地域」で英軍は第二次大戦中、基地を使って日本の潜水艦を監視していた。冷戦時代、米国がリース、米軍基地を建設、住民は60?70年代にモーリシャス諸島やセーシェル諸島へ強制移住させられた。
現在では湾岸戦争、イラク・アフガニスタンでの戦争の出撃拠点、B52戦略爆撃機やB2ステルス爆撃機の発進基地になっており、通信施設とGPSモニターステーションを置いている。秘密のテロ戦争捕虜収容所もあるという。
「恥の島」(プリンストン大学プレス)によれば、強制移住の元島民は今日も極貧にあえいでおり、帰還を求めて英国で訴訟を起こしている。
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