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2014.06.03
 欧州議会選挙
EU離脱の極右政党が台頭


 
 28加盟国で5月22日から25日まで行われた欧州議会選挙(751議席)の投票の開票作業が始まった。最大会派の「欧州人民党」が212議席、「社会民主進歩同盟」が186議席確保と二大会派が過半数を占める構図に変化はなかった。独ではメルケル党首率いるキリスト教民主同盟が勝利を確実にした。今回の有権者は約3億9000万人、公式投票率は43・1%だが、チェコとスロバキアではそれぞれ18%を下回った。


 一方、仏では反移民・反EUを掲げる極右政党「国民戦線」が26%の得票率を確実にし、首位政党となり、英でもEU離脱を訴える「独立党」が得票率29%で与野党の保守党と労働党を抜いた。オーストリア、デンマーク、ギリシャでもEU統合に懐疑的な勢力が支持を伸ばした。
 ハンガリーでは右派の与党フィデスが52%の得票、極右ヨッビクが続き、社会党は11%以下であった。背景にEU権限の拡大、緊縮策による社会政策後退、史上最悪の失業率、EU市民の反発と失望感を反映した結果を見せた。


 欧州議会選挙は5年に1度行われ、今回は8回目。定数は人口比例で国別に最大96議席(独)、最小6議席まで配分。議員は政治信条を同じくする会派を形成し、国家を横断して活動できる。


 しかし、金融危機を乗り切るためにトロイカと呼ばれるIMF・欧州委員会・欧州中央銀行の主導による緊縮策により、労働者の非正規化、社会保障分野の人員削減・サービス低下が進行している。

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