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2017.01.31
ドゥテルテ政権取り組みの行方
麻薬取締り、反政府勢力との交渉



 
 フィリピンでドゥテルテ大統領が就任して半年がたった。12月にSWS社が行った世論調査では81%が支持すると回答、人気は高い。政権は違法薬物・犯罪・汚職対策、景気浮揚などを最重要課題として取り組んでいる。
 麻薬については、この間に密売者・常習者100万人が逮捕されるか、自首した。警察または自警団組織によって現場で殺害された者も数千人に上る。 
またワイロまみれの構造の中にいる地元警察官・役人の実態も露呈されている。一方で、麻薬撲滅について戒厳令の可能性も示唆され、人権団体・青年組織から反発が出てきている。
 去る1月19日、ノルウェー政府の仲介による第3回のフィリピン政府と「民族民主戦線(NDF)」の和平交渉がヤサイ外相も出席し、ローマで行われた。NDFは武装闘争を今も続けるフィリピン共産党(CCP=再建共産党/非合法)傘下の組織と見なされており、人権および安全保護・休戦協定・政治犯釈放をめぐって対立関係にある。 ローマ会合では「社会・経済改革総合協定(CASER)」が交渉の中心となり、NDF側交渉者は暴力的な麻薬取締り作戦よりも貧困撲滅が優先だと述べ、約400人の政治犯の釈放がない限り、休戦は持続できないと主張した。
 CCPは1968年の結成以来、6人の大統領と和平交渉を続けてきたが、問題は未解決である。
 ドゥテルテ政権は地主・オリガルキー勢力温存の新自由主義政策を維持しており、貧困解決政策は開始されていない。

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