昨年10月28日(日本時間)、国連総会第一委員会(軍縮)は17年に核兵器禁止条約に向けた交渉を開始する決議案を123カ国の賛成で採決し、12月23日に、国連本会議で採択された。日本政府は核保有国と同じく決議に反対、米政府は「核のカサ」ならびに核戦争計画に悪影響があるとして、NATO諸国やアジアの同盟国に交渉不参加を呼びかけた。決議はアフリカ・ラテンアメリカ・カリブ海地域、東南アジア、太平洋諸国などの非同盟諸国が支持、オーストリア、メキシコが推進した。
☆ 去る3月27日から31日までニューヨークの国連本部で「核兵器禁止条約」制定を目指す初の交渉会議が開かれた。日本は高見沢将林軍縮大使が「残念ながら、参加は困難」として不参加を表明した。核保有国は欠席した。ヘイリー米国連大使は会議開催に合わせて「核兵器を法的に禁止する動きは現実的でない」と述べた。第2回会期は6〜7月に予定され、保有・製造・取得・配備・貯蔵・移送など禁止条項について条約案をまとめ、年内の制定を目指している。
☆ これまで世界の核実験総数は2000回超といわれる。米国が1000回以上、旧ソ連700回以上、仏200回以上、続いて英・中国がそれぞれ50回弱、インド・パキスタン・朝鮮民主主義人民共和国がそれぞれ数回となっている。生物・化学兵器、対人地雷、クラスター弾はすべて国際法の下で明確に禁止されているが、核兵器は違法化されていない唯一の大量破壊兵器である。
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