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2017.05.16
同じ目標、異なる戦術
シリアにおける米・トルコの亀裂



 
 トルコのエルドガン政権はNATOの一員として、米とともにシリアのアサド政権とIS勢力の打倒をめざして「同盟」している。しかし、クルド人問題で両国は対極にある。


 トルコ南東部およびシリア北部の国境地帯はクルド人居住地域=ロジャヴァ地方といい、YPG=クルド人民防衛隊が掌握、米国の支援を受けながら、シリアの反体制組織としてIS勢力と闘っている。さらに、非クルド人や外国人も参加をしている。対ISの戦争で最も力のある勢力とされている。
 これに対し、トルコは、YPGは「非合法かつテロ組織である」クルド労働党(PKK)の傘下にあるとして米国に支援を断ち切るよう要求、クルド人自治国家の設立を阻もうとしている。一方、この状況下で米軍はトルコ・シリア国境地帯に特殊部隊まで送り、プレゼンスを高めている。こうしてトルコはシリアに関与しているロシアに接近しつつあり、地域紛争は二大国間の対立の様相を帯びてきている。


 生まれたときからの戦乱の下に暮らしてきている青年たちは、比較的平和な社会に生きてきた先進工業諸国の青年たちとは政治についての考え方が異なる。第二次大戦は1945年に集結したが、民族解放戦争は今日もなお継続している。アルジェリアの対仏独立戦争では150万人が犠牲になった。アフリカ諸国の対ポルトガル、対ベルギー独立戦争では千万単位の人が死亡したと推定されている。


 

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