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2011年8月16日 |
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原発再稼動を許すな |
電力不測は起きえない コストも高くならない
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運転再開でやらせメール≠ェ
発覚した九電玄海原発。写真は
問題の3号機でプルサーマルを
行っている |
近年の原発が、17%の設備で30(28)%の発電をしたのは、原発を優先的に稼働させ、火力発電所の多くを休止または低負荷運転に落しているからである。
第一に大事故発生を想定外としてきたためであり、第二に高レベル放射性廃棄物等の処理・処分は国の責任で行うことになっていて、個々の電力資本の負担はないために、目先の計算によって火力より原発を優先稼働させてきたのである。
問題は、過剰な(余裕の)設備に関して、今までのように独占資本の論理で原発優先稼働・火発休止とするか、それとも国民安全の論理で原発休止・火発優先稼働とするかの選択なのである。
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「原発をこのまま止めていけば、来夏は電力不足になる」とか、「再稼働しなければ燃料費で随分高くつく」と喧伝される。しかし火力と水力だけで、電力不足は起こり得ないし、発電コストが原発より高くなることもあり得ない。
原発は、福島と浜岡を除いて3600万kwであるのに対し、火力は9電力と電源開発だけでも1億3000万kwある。自家発電や共同火力など、電力会社が買電できる設備が6000万kwある。
電力会社は、発電と送電網を独占しておくために、自家発電などからは電力を買いたがらない。火力では、まだ使えるのに「休・廃止」設備にしてしまっているものも何基もある。水力は、9電力に電源開発や公営を含めて4800万kwある。揚水式発電は2600万kwある。必要に応じて、電力会社相互に融通することもできる。
つい先日まで、「電力危機」だ、「計画停電」だ、「節電」だと言っていた東電が、急に余力があるので西に売ってもよいと言い出している。
これらを活用して、火力を優先稼働しさえすれば、原発はいますぐにでも全面的に休止できる。政府は、来夏の最大電力需要を1億8000万kwと見込んでいるが、これは過去の実績と最近の傾向からみれば、大きめな予側である。しかしこれも上記の火力と水力だけで、余裕をもって対処できる。
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我々がかねてから主張しているように、風力や太陽光等々の自然エネルギー発電を急速に拡大して、火力、水力と並ぶ電力の柱にしなくてはならない。
やがては自然エネルギ―によって、火力をゼロにすることもできる。しかし自然エネルギーが大きく成長するまで、「脱原発」を棚上げして、原発の再稼働を許すわけにはいかない。
原発を稼働させると放射性廃棄物が累増する。その安全な処理・処分の方法も場所もない。アメリカと協力してモンゴルに持ち込む、などということが許されてよいはずもない。
既存原発を休・廃止したり、建設中のものを中止すれば、損害が大きく、電気料金の値上げが必要になりはしないかという主張もあるが、しかし、それらの原発の稼働を認めることによって生まれる放射性廃棄物の処理・処分、特に高レベル廃棄物が少なくとも数万年にわたって漏れ出ることのないように管理処分するのに要する費用等の方がはるかに高くつく。
これらによる本当の発電コストの計算を、電事連や経産省が明らかにしたことは一度もない。しかもLNGや原油等は、円高で安価に輸入できるようになっている。
それに劣らず問題なのは、どの原発も、炉(圧力容器)壁や、炉周りの配管や機器も、予測を超える脆化(劣化)が進み、検出できないようなひび割れや腐食も発生していて、取り返しのつかない大事故が発生する確率が非常に高くなっていることである。
しかも、どの立地も時として大地震が起る場所である。福島の現実は、全ての原発の再稼働を許さず、一日も早い休・廃止を求めている。(原野人)
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