2011年9月20日

    京大原子炉実験所
    小出裕章さんを訪ねる  新社会党労働委員会委員長 宮川 敏一


気さくに応じる小出裕章さん=9月6日
 京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生に講演のお願いと労働運動の近況を聞いてもらおうと9月6日、大阪府熊取町の実験所を訪問した。

 熊取町は関西空港から空港線3つ目の熊取駅下車。和歌山との県境にある小さな町である。駅前からタクシーで10分ほどで実験所の正門に着く。

 受付を済ませ、それほど高くない山の麓を左手に見て、広い敷地にある野球場とテニス場に挟まれた坂道を上って行くと、ほどなく左手に原子炉がある白い建屋が見えてきた。正面建物の右手を曲がると研究棟だ。

 待ち合わせの13時ちょうどに小出先生の部屋をノックすると、すぐに「どうぞ」の返事が返ってきた。毎週、週末に全国を回り、原子力の危険性を訴え講演するという激務にもかかわらず、「遠いところ、ようこそおいでくださいました。狭いところですがどうぞお座りください」と丁重に迎えてくださった。

 講演会日程は事前にお聞きしていた通り、来年3月まで詰まっていて、先生の健康状態からもギリギリ。「来年のことを言えば鬼が笑うと言うが、4月以降のスケジュールについては、年が明けてからお願いしたい」と繰り返し言われた。

広い実験所敷地にある実験炉
 私たちからは労働組合や労働者が原発にどう向き合っているかを話した。「まだまだ十分な盛り上がりが見えないませんが、1000万人署名や9月19日の東京・明治公園での5万人集会を成功させようと取り組んでいます」などと話した。

 小出先生はうなずきながら聞いてくれ、「ぜひ頑張っていただきたい。放射能は全国に広がり、一つの原発も残してはいけない。原発がなくとも火力と水力で日本の電気は十分にまかなえる」ときっぱりと言われた。

 また、「20年前に刊行された『放射能汚染の現実を超えて』は当時2000部程度の売れ行きだった。その本が復刻版として再発行され多くの人に読まれている。私は、原子力の問題点をいかに皆さんに情報提供するかが務めと思っている」と熱っぽく話された。私も、小出先生からの情報を受けて労働者に紹介し、学習を広げていきたいと応えた。

 お別れの間際に新社会党について話をすると、「自衛隊が違憲であることを堅持し、憲法を守る新社会党は立派な政党だ。これからも厳しい状況は続くが、一緒に頑張っていきましょう」と励まされ、色紙を書いていただいた。


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