2011年10月11日

    静岡 牧之原市議会が決議
    浜岡原発「永久停止」


 中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)に隣接する牧之原市議会(田村兼夫議長)は、9月26日の本会議で「確実な安全・安心が担保されない限り、永久停止にすべき」との決議を賛成11、反対4、欠席1の賛成多数で決めた。

 西原茂樹市長も、「浜岡原発は東海地震の想定震源域に立地しており、地震や津波に襲われる確立も高い」とし、「市民の安心と安全のためには『永久停止』は譲れない」と表明した。

 決議は市が実施した住民意識調査で、浜岡原発の「停止」か「廃炉」が6割を占めたことから、西原市長が「浜岡原発の是非について方向性を出してほしい」と市議会に要請。議長は「近くに原発がある自治体議会として、何もしないわけにはいかない。意見書よりも強い意思を示す決議とした」という。

 牧之原市には自動車大手スズキの工場があるが、原発震災以降「リスクの分散」から、工場機能の一部を他工場へ移転が検討されている。また、市の調査では市内数社がスズキと同様な考えがあるという。

浜岡原発いらない!のプラカード
 浜岡原発1、2号機は、運転の是非めぐる高裁で係争中に中部電力が追い込まれて廃炉に。3、4、5号機は菅前首相の要請で停止している。

 浜岡原発の廃炉を求める「浜岡原発を考える静岡県ネットワーク」の白鳥良香代表は、市議会を傍聴し、「浜岡原発の再開などに大きく影響する地元4市中1市が、議会・首長がそろって『永久停止』を表明したことは画期的。議決が可決された時、傍聴席からは拍手が起きて感動的だった。

 他の地元3市、及び県内の市町が同様な決議などが表明されるように、浜ネットも働きかけを強める」と語った。県内では前後して、松崎町、東伊豆町、伊豆市、伊豆の国市でも同趣旨の意見書を採択した。(静岡・仁杉)

 
牧之原市議会の決議(全文)

 東日本大震災における東京電力福島第一原子力発電所事故は、国でいうところの「原子力発電は安全である(止める・冷やす・閉じ込める)」という神話が根底から崩れ去り、我々に大きな衝撃を与えた。事故から半年が経過しても、いまだに事故原因はもとより事故の全容もつかめず、事態の収束についてはめどもつかない状況である。

 福島第一原子力発電所の周辺地域では、多くの住民が避難を余儀なくされ、自宅に戻ることもままならず、職や財産を失い、家族とも離散し、長き年月をかけて築いてきた文化や歴史、住民コミュニティは、すべて崩壊してしまった。また、放射性物質による汚染も、内部被曝等により将来を担う子供たちへの健康被害への影響が非常に心配されているところであり、農畜産物の出荷や企業活動などについても、地元はもとより全国各地で深刻な影響を及ぼしている。

 牧之原市においても、基幹産業である茶葉から放射性物質が検出され風評被害を含め甚大な被害を受けたところである。本来、一度の間違いも許されない原子力発電であるにもかかわらず、このような重大事故が発生した事実を鑑みれば、我々は、まず第一に市民の生命・財産を守っていくことを考えなければならない。

 そのためには、近い将来間違いなく起こるとされている東海地震の震源域真上に立地している浜岡原子力発電所は、確実な安全・安心が将来にわたって担保されない限り、永久停止にすべきである。

                                                         2011年9月26日


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