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2012.6.5
東海第二廃炉へ 7月31日提訴
原告・弁護団が決起集会


小さな子どもを連れた若いお母さんも多数参加するなど、東海第二原発の廃炉へ熱気いっぱいの集会。正面の演壇は挨拶する矢田部理弁護士
 日本原子力発電(原電)東海第二原発(茨城県東海村)の運転差止め・廃炉などを求めて茨城県などの住民が7月31日に提訴するが、原告・弁護団の決起集会が5月27日に水戸市内で開かれ、300人が参加した。



 原告は、東海第二原発をめぐって1970年代にも裁判を闘って敗訴した相沢一正・東海村議をはじめ194人(5月25日現在)となっており、提訴へ6月30日まで参加者を募っている。相沢さんは、集会で呼びかけ人として福島原発事故を踏まえて「前回とは状況が違う。力を結集して原発をなくそう」と訴えた。

 原告は、茨城県の145人をはじめ千葉、東京など11都県におよぶ。また、裁判費用を一部負担する賛同者は茨城県の127人をはじめ千葉、東京など13都府県202人となっている。

 弁護団には、新社会党元委員長の矢田部理弁護士はじめ茨城弁護士会の安江祐会長、脱原発弁護団全国連絡会の河合弘之代表、前日弁連事務総長で多くの原発訴訟を手がけてきた海渡雄一弁護士ら66人が全国から参加している(25日現在)。


 矢田部さんは弁護団を代表して挨拶、「東海第二原発で福島のような事故が起きたら首都圏は甚大な被害を受ける。関東でただ一つの原発であり、茨城県だけの問題ではない」と訴えた。


 安江会長は、茨城県弁護士会として再稼働反対を総会決議したことを報告。河合代表は「後世に押し付けてはならない最大の負担は原発だ。とくに東海第二で事故があれば首都圏が、つまり日本が壊滅する」と訴えた。


 海渡弁護士は、稼働から33年たち老朽化した東海第二原発の危険性や30キロ圏に106万人が住み、シビアアクシデント(過酷事故)が起きても避難できない、首都圏(東京駅)まで103キロの至近距離にあることなど廃炉裁判を闘う意義を強調した。


 弁護団の内山成樹弁護士は、「東日本大震災を踏まえると活断層やその運動だけでなく、茨城県沖にある比高3000メートルの第一鹿島海山が西進する太平洋プレートに乗って日本海溝まで来て、海山の西半分が日本海溝にひっかかった状態にある。第一海山が原因でプレートの沈み込みがスムーズに行われず、ひずみが溜っている。これが動くと茨城県沖で過去に例のない巨大地震が発生する恐れがある」と巨大地震発生の可能性を指摘した。


 「重大事故の危険性が高まる東海第二原発の老朽化を問う」と題して記念講演した井野博満・東大名誉教授(金属材料学)は、政府のストレステスト意見聴取会に出席した経験などを踏まえ、ストレステストには住民の参加が必要、判断基準が明確でない、福島事故原因を反映させることが必要、耐震バックチェック見直しの必要性、経年変化(老朽化)を反映させることなどを指摘。


 金属材料の劣化原因で疲労、腐食、照射脆化(中性子照射を受ける原子炉特有の劣化現象)の3つを挙げ、「材料劣化が事故を拡大する」と警告した。(茨城・永田)
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