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2012.8.21
東海第二原発 廃炉へ提訴
原告ら700人立ち上がる




東海第二原発の廃炉実現へ、横断幕を先頭に水戸地裁へ向かう原告・弁護団=7月31日 
 茨城県東海村にある日本原子力発電(原電)の東海第二原発は、安全性が確保されていないから廃炉にすべきだとして7月31日、茨城県など10都県の住民と福島原発事故の避難者ら266人が原電に対し運転差止めを、国に原子炉設置許可の無効確認などをそれぞれ求める裁判を水戸地裁に起こした。


 住民らは訴状で、東海第二原発が日本海溝に面する地震多発地帯にあり、半径30キロ圏内に100万人が暮らす全国の原発の中でも最も人口密度の高い地域に立地し、しかも首都圏に近接している上に運転開始から34年が経過して老朽化が進行、過酷事故が起きれば首都圏は壊滅すると主張している。

 さらに、断層の連動地震に対する原電の評価に誤りがあり、耐震性が十分でなく、過酷事故対策もとられていないと指摘している。


 原告ら約300人は、提訴に先立って水戸市内で集会を開いた。集会では原告共同代表で東海村議の相沢一正さんが挨拶し、「国家はひとたび災害が起きれば、一部の国民を犠牲、棄民にして国家の利益を守ろうとする。そうした権力の本質が福島の事故で明らかになった」と述べ、事故が起きる前に東海第二原発を廃炉にしなければならないと訴えた。


 この訴訟では茨城県や首都圏はじめ全国の弁護士70人が弁護団を形成しているが、共同代表には茨城県弁護士会の矢田部理弁護士、脱原発弁護団全国連絡会代表の河合弘之弁護士、前日弁連事務総長で各地の原発裁判を手がけてきた海渡雄一弁護士の3人が就任した。


 矢田部さんは、「全国の廃炉訴訟に呼応して原告、支援者700人で闘うことになった。500人の支援者を1000人に広げたい」と述べ、河合さんは、「国民は、福島原発の事故を見て原発神話から脱した。裁判官の認識も変わったはず」と脱原発裁判の意義を強調した。


 また、内山茂樹弁護士が訴状について説明し、東海第二原発の沖合の日本海溝ぞいの地域では地震の空白域があってエネルギーが蓄積されつつあり、想定を超える巨大地震が起きる可能性があることを明らかにした。


 集会後、原告・支援者と弁護団は水戸地裁まで市内をデモ行進して訴状を提出。その後、原告団と弁護団が記者会見し、共同代表の海渡弁護士が東海第二原発が置かれた自然的、社会的条件を説明し、「必ず勝てる裁判」と力強く語った。


 第1回口頭弁論は、9月から10月頃の見込み。
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