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2014.03.18
原発震災4年目
避難者13万人 再稼働へ暴走




 東電福島原発事故から3月11日で4年目を迎えた。むろん、事故は収束していない。3年間に3万人以上の作業員が収束作業に従事し、うち1万5000人以上が白血病の認定基準の「年5ミリシーベルト以上」の被曝をしていることが判明。汚染水の海洋流出とタンクの汚染水漏れの対策工事とともに急増している。


 高濃度汚染水は原子炉建屋からトンネルを経由し、汚染地下水が海洋へ流出し続けている。1〜3号機原子炉内の溶融核燃料棒の回収に、米スリーマイル島事故の経験から少なくとも10年はかかる。汚染土や焼却灰などの中間貯蔵施設用地として東電周辺の大熊町・双葉町案が提示されて間もない。除染完了年度もさらに3年間延長された。
 故郷を奪われた福島県の避難者は13万人以上。その人々に「帰るか、帰らないか」と二者択一を迫ってきた政府。年間被曝線量が20ミリシーベルト以下などを要件とする復興新指針を提示し、全員帰還方針を転換した。帰還者の賠償金は1年で打ち切り、移住者には賠償金の積み増しで一件落着とするものだ。
 復興新指針による最初の避難指示解除が田村市都路地区。除染が完了したとはいえ、宅地の空間線量は0・36マイクロシーベルトと国の目標値(0・23マイクロシーベルト)を上回る。
 復興新指針は東電再建計画と一体。政府は東電支援枠を拡大し、犠牲を被害者と国民に押し付ける政策を積み上げている。担保するのは税金、または電気料金の値上げだ。
 政府は3月中に新エネルギー基本計画を閣議決定する。原発の停止→輸入燃料費の高騰→電気料金の上昇→中小企業圧迫というストーリーを作り、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けた。水力、石炭、石油、天然ガスその他電源とのベストミックスを目指す。
 新エネ基本計画は原発再稼働を宣言した。さらに、12年度までに税金9488億円を浪費した「もんじゅ」や六ヶ所村の再処理工場を活かした核燃サイクルをも推進する。事故がなかったかのように復活した原子力政策。事故責任をうやむやにし、東電の破綻処理を怠ったことが原因だ。





 福島被害者相双の会 國分富夫さんの報告


 新社会党第19回全国大会2日目の3月2日、福島原発事故避難者訴訟を闘う「相双の会」代表の國分富夫さんが要旨次の報告をした。



 避難者は1年で変わりました。死にたいと言うようになりました。みんなくすんでいます。これでは闘いになりません。もっと幅広く運動をやろうと話しかけ、原発をなくそうという声が徐々に出ています。
 避難者から私のところへ突然電話がきます。「頑張っているんだね。俺たちも頑張っているから。会報(「原発事故被害者相双の会」)を送ってくれ」とか。
 日本はもう一つ原発事故があったら終わりです。そう思うと力が湧いてきます。
 去年より確実に1つ歳をとっているのに歳をとった気がしません。裁判闘争もいよいよ本番です。2月12日に第3回口頭弁論がありました。命を守ることが一番大事なことです。私はそうした立場で意見陳述しました。
 何でも話のできる仲間が死の宣告を受けました。今は避難先で闘病生活をしています。
 彼は心残りは原発のことだと言います。死んだら家族の話し相手になってくれ、墓に報告してくれとしつこく言うのです。彼は神奈川で教員をしていて、55歳で退職してこちらにやってきて知り合いました。私は全逓の組合員で地域運動をやっていました。その当時、身内の集まりで、退職したら静かに暮らしてくれ、議員などになるなと言われました。どぶろくでも造って、静かに暮らそうと思った矢先に原発事故です。
 黙っていられません。思いを精いっぱいぶっつけて、仲間を大勢つくろうと小出裕章さんの講演会に1000人を集めました。小出さんからニュースを見て「がんばってください」とメールが来ました。
 
 
 今度はエコ研の今中哲二さんを呼んで講演会をします。5月には國学院大学でエコ研の集まりがあります。裁判は12月に結審、来年に判決の運びです。生きている限り頑張ります。


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