埼玉で隔月に行ってきた第3回「原発問題等交流会」が6月15日さいたま市内で開かれ、前双葉町長の井戸川克隆さんの話を聞きました。参加者50名を予定したところ、70名を超す盛況ぶり。60分の講演の後、休憩を挟んでさらに60分質問の時間を設けるなど、関心の高さを示しました。
チェルノブイリの1・8倍の放射能汚染という世界にも歴史上も前例のない東電福島第一原発事故。しかし原発所有者の東電も、推進してきた国も、何ら責任をとろうとはしません。放射能は残り、東電が残り、ましてや国はつぶれません。
井戸川さんは、「人の命には限りがあります、この無責任な原子力行政は、人を人と思っていないからできるのです」と力説しました。
県外避難のため、町民の先頭に立ち、最後に町を出た井戸川さん。折しも石原伸晃環境相が「最後は金目でしょ」と言い、漫画『美味しんぼ』問題では、真実を語ったことに非難が集中しました。
井戸川さんは、岡山大学の疫学データを取り寄せて、科学的に研究もしてきたそうです。鼻血が出た、声が出にくくなった、という人に、他人が「それは放射能のせいではない」とどうして断言できるのですか?それこそどんな科学的根拠をもって言っているのですか?と反論しました。
井戸川さんは町政を預かっているときに3・11を迎えました。福島県知事も認めた「県外避難」に対し、激しいブーイングが起こりました。国のオフサイトセンターは震災4日後にこっそり現場(大熊町)を離れました。スピーディーは隠していました。官僚に「原発現場に行こう」と言っても決して行きません。その上のウソです。
モニタリングポストのデータはごまかしでした。事故は起こさないに始まり、完全に除染できる、県内に住める、県内産の食物を食べて復興、あいまいな健康調査…。自然が破壊されているのに人間は大丈夫なんてありえません。
交流会では地元さいたま市に住む講談師の神田香織さんから、「『相双の会』原告団を支える会」への加入呼びかけがあり、23名が加入。今後は「原発問題を考える埼玉の会」として、定期的に学習・交流を重ねていくことになりました。
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