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2014.07.22
子ども・被災者支援法
施行から2年 当事者の思い


 福島原発事故被害者支援の「子ども・被災者支援法」施行から2年。被災者・支援者団体のネットワーク「子ども・被災者支援法市民会議」は6月20日、国会内で記者会見を開き、当事者は「何が達成され、何が未達成なのか」、思いを語った。発言要旨は次の通り。


 福島県富岡町から横浜市旭区に避難している坂本建さん
 強く感じることは、事実と向き合っていないこと。子どもたちの甲状腺がんについても、放射能の影響かどうか分からないというあいまいなまま議論が進んでいる。子どもたちに放射能のリスクを負わせる権限は、大人にはない。起きている事実、被害が出ている現実と向き合うしかない。
 除染で汚染されたものを袋に詰めて野積みしてあるが、きちんと管理されていくのか。そうしたものがある地域に子どもを連れた若い世代が戻れないということは自治体も把握できているはず。
 ならば、避難を選択している人たちの避難の権利の賠償も含めてきちんと手当てできるように、希望の光になるはずの子ども・被災者支援法に命を吹き込んでほしい。


 つながろう!放射能から避難したママネット代表 ましこりかさん(福島県三春町から東京都西東京市に母子で避難、夫は三春町に残っている)
 二重生活が大変で、希望を持って支援法を見つめていたが何かしてくれたか。残っている夫たちの福島での生活を考えると、支援法がどれほどのことをしてくれたのか疑問を感じる。
 一企業が起こした災害を国が認めて支援法が制定されたのであれば、福島の人々、周辺の人々に賠償なり、支援なり、いろんな形で恩恵を与えてほしい。
 放射能の中で暮らしている現実が変わらないのに、置き去りにされ、法律だけが机上の空論で進められていく。本当に置き去りにしていると感じる。
 現実に子どもたちが被曝し、家族が離れ離れに避難生活を送っている、この現実に対して国がどうしてくれるか、問うていきたい。支援法がきちんとした形で実を結んで、私たちのためになるように実行してほしい。


 福島市から札幌市に避難している中手聖一さん(子ども・被災者支援法市民会議代表世話人)支援法が本当に生かされていけば、避難者はじめ被災者は、過去を取り戻すことはできなくても、事故後の人生で大きな力になってくれると期待していた。基本方針が決まるまで1年以上、決まってからも目に見える実効性が出てない。
 この3年間、途方にくれ、必死に耐えてきた。放射能に汚染された古里は戻らないが、せめてこれからの生活を描き直していこうとようやく半歩、一歩を歩み始めようというのが現状。支援法が力を発揮して支援策を充実してほしい。
 被災地に住むも、避難するも、避難先から帰還するも、それぞれの選択ができるように、不本意な選択でなく、自己決定に基づいた選択ができるように支援法を作った原点を生かしてほしい。帰還政策に偏った支援策になっているような気がしてならない。
 もう一つは、被災当時者の意見を反映させることが形骸化している。基本方針策定の際も公聴会は一度も開かれず、説明会も2回だけ。これからの私たちの生活が変化するに伴い、ニーズが変化するに伴って、私たちの声をそのまま生かす仕組みを作ってほしい。



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