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 新社会党
2011年1月1日

  胎動する右派
    対抗する勢力の結集を


 いつ、何が起きても不思議ではない状況である。「自民党より本当にましなのか」と疑われるほど民主党政権は、財界とアメリカにべったりの政治に変質している。政権交代とは何だったのか、私たちは立ち止まって、考え、行動するときを迎えている。

 子ども手当、高校授業料無償化、農家の個別所得補償、そして八ッ場ダムの見直しなど「コンクリートから人へ」の公約は、労働者派遣法、後期高齢者医療制度の抜本改正など人に優しい政治の実現に期待を持たせた。

 鳴り物入りの事業仕分けは、官僚主導による財界・アメリカ優先の財政に鋭いメスを入れると期待した。沖縄県民はじめ多くの人が、鳩山由紀夫前首相の「普天間基地は最低でも県外」という約束に対米追随から対等・平等の外交、そして「東アジア共同体」という言葉に、東アジア情勢の好転を期待した。

 これが偽らざる勤労市民の、民主党政権に対する思いであっただろう。

 だが、民主党政権はまず「普天間」問題で裏切り、参院選では封印されていた消費税増税を持ち出して惨敗。ねじれ国会のもとで、権力という魔物に取り付かれて汲々とし、財界やアメリカべったりに方向転換した。

 
左派・護憲派の責任

 私たちは政権交代に当たって、次のように訴えた。確かに政権交代は自公政権に対する国民の反乱である。しかし、それは職場や地域における運動の成果が結実したものではない。また政権交代によって、職場や地域の力関係が勤労市民に有利に働くことはない。

 とくに、労働運動をはじめ大衆運動に依拠しない民主党に「旧勢力・旧制度」を突破する力はない。期待を寄せるのは仕方ないが、身柄を預けるな、要求を組織し、実現させる運動を強めよう、と。

 全国には無数の闘いがある。沖縄県民の闘い、非正規・未組織労働者を組織するユニオンの運動、公務員バッシングのもとでの「苦闘」、反原発の闘い、等々。だが、連帯し、共同し、それを政治的な流れに高め、積み上げていくことに成功していない。

 それは、私たち左派・護憲派と呼ばれる政治潮流の責任である。そして参院選で明らかになったことは、その潮流が有権者の間で選択肢として存在感を持ち得ない現実だった。

 貧困は戦争の温床に


 民主党の内紛、連立のあり方を巡って政治はどう動くか混沌としている。危険なのは、権力内部の財政規律派と成長戦略派が合体し、一挙に消費率税アップ・貿易自由化(TPPなどさらなる規制緩和)、そして緊迫した東アジア情勢を利用した日米韓軍事同盟の深化を進める「危機管理内閣」の動きだ。

 それは法人税5%削減、年金支給切下げという「極端」に象徴される。武器輸出3原則の緩和、軍事力の機動力化は日米の「死の商人」の懐を肥やし、関税撤廃は農漁民を切り捨て、労働者をさらに競争に駆り立てる。

 貧困は戦争の温床という。私たちに求められているのは、胎動する保守・右派に対抗する勢力の結集である。大衆の中に入り、大衆とともに、地域、職場から連帯の輪を広げることである。






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