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2013.1.22
 アフリカへ拡がるテロ戦争
天然資源確保と中国牽制


 
 フランスのオランド政権が1月11日、西アフリカのマリへの地上・航空部隊による軍事介入を決定した。仏政府は、北部でのアルカイダなどイスラム過激派の南進の動きを阻むためのマリ政府からの軍事支援要請に応えるものだと説明している。すでに空爆が行われ、周辺国も「西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)」を通じて過激派掃討の目的で派兵を決定したことから、戦闘が長期化、拡大化する不安が高まっている。

 さらにイギリスなど他のEU諸国も仏軍の空爆を支援しており、12日時点で120人以上の死者が出ている。フランスは同時に東アフリカのソマリアでも軍事作戦に入っており、国内では報復を恐れて治安を強化している。



 マリは1960年の独立まで仏領植民地で、日本の約3・3倍の面積に人口が1400万人。リン鉱石、金、ウランを産出、ウランについては日本が独占的に契約している。米国は「米アフリカ軍=AFRICOM」を通じて来年までに「テロ戦争」阻止のために35カ国に派兵、軍事訓練を行う計画を持っており、マリでの昨年のクーデターとその後の不安定状態を好都合な介入条件と見ている。
 AFRICOMは07年設立、司令部は独シュツットガルト、すでに実働しており、目的は中国の牽制と天然資源確保である。リビアのカダフィ政権転覆がマリ北部の不安定化の引き金となった。


 EUは経済危機と並行して戦争政策を決めている。支配層は緊縮財政下で労働者が苦境にある中、派兵で自らの利益を擁護しようとしている。

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