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2013.3.26
新ローマ法王の選出 
新自由主義時代の闇と領土問題


 前法王の退位を受けてバチカンで法王選挙会議が行われ、アルゼンチン出身のベルゴリオ枢機卿が3月13日、新法王フランシスコ1世として選出された。

 17日には初の日曜日の集いで「慈悲が世界を変え、温かく、公正にする」と訴えた。

 一方、キャメロン英首相は選出に反対と発表、「法王はフォークランド(マルビナス)諸島領有権に関してアルゼンチンのものと発言」し、10〜11日に行われた住民投票では99・8%の支持率で英海外領という結果を得たと主張した。島は漁業収入で生活物資をすべて英から輸入、野菜はチリから空輸している。アルゼンチン政府は今回の住民投票を認めていない。


 新自由主義時代の独裁政権(76〜83)とアルゼンチンのカトリック教会の関係から見れば、新法王は闇と結びついている。「コンドル作戦」(ウォール街とIMF従属の経済政策への抗議運動で3万人超の犠牲者・行方不明者を出した「汚い戦争」)で、労組員・左派抹殺政策、民営化、社会保障制度破壊、企業優遇措置、通貨操作による財政破たんに活動家・市民・神父などが抵抗、「死の部隊」が「テロリスト」として逮捕・拷問、空から川や大西洋に投げ込まれた。当時、ベルゴリオ枢機卿は宗教界最高位にあり、政権と緊密であった。教会自体も上部エリート層と地域の聖職者とに分裂していた。


 バチカン報道官は、新法王が当時、アルゼンチン神父を拷問から守らなかったという批判について「左派の攻撃」として退けている。

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