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2013.5.21
第二次大戦戦勝68周年 
ファシズムは終わらない



 5月9日、モスクワの赤の広場では1万1000人の兵士による行進、プーチン大統領の演説など、旧ソ連邦内の数十の都市で戦勝68周年記念行事が大々的に行われた。第二次大戦は旧ソ連邦では「大祖国戦争」と呼ばれ、45年5月、ドイツファシズムの降伏を機に終戦を迎えたが、2600万人が犠牲になった。


 戦争は米資本主義を回復させ、戦中のニューディール政策=ケインズ政策を可能にし、戦後はマーシャルプランで欧州資本主義を復興させた。また戦争は同時にアジア・アフリカ地域で植民地体制を崩壊させ、これに伴い、米国は「新植民地主義」にシフトした。
 独立の形態をとりながら「安価な原料・労働力の供給地、米資本の投資地および市場」の状態に保つ政策で、欧州と日本を同盟国化し、国際金融機関を使って「開発」援助、ソ連邦の支援を阻んだ。
 戦後冷戦体制は米ソ対立の枠にとどまるものではなかった。マルタ協定以降、米ソ冷戦は消滅したが、第三世界と呼ばれるアジア・アフリカ・ラテンアメリカの諸国は70年代から構造改革路線=新自由主義が押し付けられ、社会の危機を深めた。


 新自由主義下の支配者は多国籍企業である。資本による搾取の本質は変わらない。イラク、アフガニスタン、リビアの例は「自由と民主主義のためのテロ戦争」とされたが、内実は自主路線を歩んでいた国の政体転覆であった。今日、資本主義の危機は明白であるが、新たなファシズムはいっそう破壊的、危険になった。

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