5月31日深夜に始まったトルコ・イスタンブールのデモは、政府の強制排除にもかかわらず、全国に広がり、17日には労組の参加するストに発展した。
100ほどの環境保護団体のメンバーが、政府が市内にショッピング・モール建設のために公園の木を切り倒すことに反対してキャンプを張っていたところから始まったデモ。警察との衝突でこれまでに死者5人と5000人超の負傷者を出した。首都アンカラではトルコ共産党本部が警察に襲撃され、党員が逮捕された。
デモ隊は首相の即時退陣を要求、この間にデモは大衆蜂起のような性質を持ち始めている。
3期目のエルドアン政権は2023年の建国100周年に合わせ、大規模インフラ整備計画を進めつつ社会のイスラム化を推進、周辺アラブ諸国への軍事介入にはNATO加盟国として関与。政権の新自由主義政策とシリア反政府軍支持は、とりわけ貧困層の生活を直撃している。
5月中旬にシリアとの国境地帯のレイハンリで爆発事件が発生、この町がシリア反政府軍の傭兵リクルート・訓練・送り込み拠点となっていることが判明した。武装兵員の存在は地域の経済と通商活動の妨げとなっており、クルド人組織(PKK)を追跡してイラク国内に越境、基地を利用するなどの好戦的政策もトルコ国民の支持を得ていない。
政党によるデモの組織化はまだないが、政党への最低得票率10%の閾値と「政党法」の非民主的条項の廃止の声も上がってきた。
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