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  4. 2013.07.02
2013.7.2
オバマ大統領の独訪問 
ドイツの対米対抗意識




 北アイルランドでのG8サミットの後、オバマ米大統領は6月18?19日、ケネディ大統領(当時)のベルリン訪問50周年記念のためドイツを公式訪問した。08年夏、オバマ氏が大統領候補だったとき、20万人の市民が希望のイメージを抱いて演説に集まった。しかし、今回の訪問は全く別であった。


 大統領専用機が到着したテーゲル空港と中心部に向かう街路は完全に閉鎖、ブランデンブルグ門前での演説には選ばれた聴衆4000人が水も漏らさぬ厳戒態勢の中で参加した。
 訪問前から独国内では暴露された米インターネット網による大規模な諜報活動は「冷戦時代の秘密警察」を越えた危険なものと捉えられ、野党は「米国流スタージ」と非難した。グアンタナモ基地閉鎖の失敗、無人機使用による無差別殺人に対する厳しい批判、さらに独財界の対米ライバル意識により、5年前の訪問時とは異なった受け入れ態勢となった。


 米側はユーロ危機打開・環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)協定締結、相互安全保障の確立、世界のホットスポットでの独の軍事的役割拡大を要請した。だが、独はリビア介入に対して仏英・米と距離をおいたように、シリアについても反政府勢力支援に関して対立した。


 メルケル政権は反政府勢力の相当部分が過激主義者であり、もはや民主勢力でないと認識しており、国内の財政赤字問題には緊縮財政策で取り組んでいる。TTIPについて世論は米側に有利と見ている。

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