1953年7月27日の停戦協定締結から60年、朝鮮半島の安定と北東アジアの平和は実現されていない。米軍は停戦協定に反して韓国に駐屯し続け、大規模な米韓合同軍事演習を継続している。協定は60年間死文と化している。朝鮮半島は在日米軍、自衛隊も加わり日米韓軍事包囲網が築かれている。日本は「防衛大綱」の見直しで「敵基地攻撃能力」を保有する方針を検討中である。
朝鮮戦争は1950〜53年、日本の植民地支配によって生じた独立運動、地主と農民の階級対立、冷戦の枠組みによる米国の軍事介入という構図の中で発生した。米国を中心に16カ国が参戦、日本は攻撃・後方基地となった。
犠牲者は南北朝鮮合わせて400万人、中国人民志願兵14万人、米軍4万人という厖大な数に上った。米軍は52年7〜8月の平壌爆撃で、横田、嘉手納からの出撃、回数は1400回を超えた。
また、朝鮮特需により日本の工業生産は太平洋戦争以前に比べ、53年には160%に急増。朝鮮戦争を機に日本は再軍備を進め、サンフランシスコ片面講和条約で日本の戦争責任が免罪され、日米安保条約が締結された。日本は米国の同盟国として休戦状態60年、南北分断固定化に責任がある。
日本のメディアは米軍の核戦争態勢、自衛隊のイージス艦やPAC3配備による迎撃態勢には目をつむり、「北朝鮮の挑発的行動」を宣伝して世論を誘導している。
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