「5人のキューバ人」の米刑務所収監が9月12日で15年になった。98年9月、マイアミで暮らしていた5人はスパイ容疑で逮捕され、「殺人共謀罪」が付加された。しかし、どの1人もホワイトハウス、ペンタゴン、国務省などからの米国の安全保障に関わる機密情報に接したわけではなかった。裁判中に証拠も提示されずに、5人合計で終身刑4プラス77年の禁固判決を受けた。
5人はマイアミに居住する極右グループがキューバに対して企てるテロ行為を未然に防ぐために活動していた。うち2人は米国籍をもつ米市民である。その1人であるレネ・ゴンサレス氏は一昨年10月に刑期が終了し、釈放されたが、今年5月、米国籍喪失を条件にキューバ居住を許可された。あとの4人は依然として拘束されており、ヘラルド・エルナンデス氏の場合は終身刑2プラス15年の判決である。氏の場合は、面会のための妻の米入国も許可されずにきている。
この間に、5人の拘束が裁判を担当した陪審員への脅迫や世論操作、記者への買収などマイアミの極右グループと米FBIとの共謀の事実が明らかになっている。裁判は00年から始まり、判決に対して控訴審が行われ、一審判決を無効にしたが最高裁で棄却。09年、世界の人権団体や弁護士、国会議員が呼びかけて米最高裁に「アミカス・キュリエ(裁判の友人たち)」裁判を起こしたが、米政府により退けられた。
今年も10月6日まで「5人との世界連帯月間」が設定されている。
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