ベネズエラ国会は、遺伝子組み換え作物の使用と消費を禁止する法「種に関する法」に向けての審議に入った。ヒル農業・土地省長官は、同法は「多国籍企業から農民および農業生産者を守り、食料生産を保障し」、「健康・環境および商業性において食料主権を損なわないための精確かつ構造的な法制である」と説明した。
また、エクト第二副大統領は全国的にもこの問題について討論を広げると述べた。国会は「モンサント社のような大多国籍企業から農業部門を守る闘い」と位置づけている。遺伝子組み換え大豆はアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイなど南米諸国では栽培面積のほぼ100%、ブラジルでも7割に拡がっており、この動きに注目が集まっている。
現在、世界の種市場の5割以上をモンサント、デュポン、シンジェンタの三大企業が支配している。こうした企業は種を特許化し、農民が自らの種を保存・販売することを禁じ、世界の食糧生産を完全独占しようとしている。
米国内でも大豆、綿花の9割超、トウモロコシの9割近くが遺伝子組み換え作物である。95年に米農民がこうした企業から種を買うようになって以来、新たな農薬の必要性から大豆の作付けコストは約3倍、トウモロコシは約2・5倍に上がった。
さらに同社は積極的に特許違反を訴追、12年には2億ドル超の利益を獲得し、また表示問題でバーモント州に訴追の脅しをかけた。
遺伝子組み換え作物の脅威は、健康・環境・食料供給ばかりか行政機構にも及んでいる。(
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