06年以来、新自由主義の爪あとから脱却しつつある南米のボリビアで、国による無料医療サービス「ミ・サルー(私の健康)」が展開されている。11月には東部サンタクルス州で始まった。この地域は60年代にアルゼンチン人のエルネスト・ゲバラとボリビア人など、独裁政権と闘う部隊がゲリラ戦を行ったところだ。
16日、モラレス大統領は同州での開始にあたり、「社会の最底辺に置かれた人々への敬意をもった医療」を強調し、「過去のように医療従事者が患者を軽視する」慣習から根本的な変化が起きていると述べた。同州は現在も右派勢力による反対が強く、政府の社会計画「ボリビアは変わる」「エボ(大統領)は実行する」「水道事業」などの導入が遅れているが、まず新医療制度が開始された。これにより地域に約100人の医師・看護師・技術者・レントゲン技師・検査師たちが派遣された。
モラレス大統領は05年選挙で53・7%の支持を得て当選、新憲法下で64%の支持で10年1月、再び大統領になった。新憲法では連続2期務めることができるので、14年12月選挙に出馬を予定している。
就任1年目に炭化水素資源の国有化・最低賃金法制定など国家主権と労働者の生活を守る政策を実施、国民から信頼を勝ち得た。
一方、右派勢力によるクーデターも経験、今年7月にはロシアからの帰国途中、大統領機が欧州諸国に上空通過を突然拒否され、生命が危険にさらされた。国連では気候変動に対して地球の商品化を批判している。
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