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第U部 私たちはどんな時代に生きているか |
5.政治勢力
(1) 総保守の「分化」と改憲路線での合流
自民党は大資本の利害を代表してきた保守政党です。その役割を忠実に果たすことによって、大企業の支配力を強め、またその支配力によって中小企業や農漁民などを政治的支持基盤とすることに成功してきました。
しかし、日本の大企業が多国籍企業化して、国際的権益が拡大し、また新たな国家的再編が大企業の戦略的課題となるにつれ、さらに労働運動や日本社会党の弱体化・解体に成功するにつれ、保守勢力の新たな分派が結成、育成されることになりました。
自由党や民主党などがそれです。自由党はより精鋭な国家主義、大国主義の分派ですが、保守党は自民党との連立政権に固執するさらなる分派です。
民主党は大企業や新保守層と連合・大企業労組を支持基盤としていますが、「市民主義」を装いながら基本的には「新自由主義」の路線を走る新保守主義の政党です。
自民党、民主党、自由党などの新旧の保守勢力は、新自由主義と新国家主義で基本的に大きな差は見られず、いずれも明文改憲に収斂しつつあります。
主に小経営者や未組織労働者に依拠する公明党は、支持基盤を反映して動揺を繰り返していますが、宗教による政治支配をめざす創価学会と強く結ばれており、近年、与党志向が強い保守政党として行動し、憲法見直しを是としています。
(2) 憲法改悪阻止での共同
沖縄社会大衆党は、沖縄の人びとの切実な願いをもっとも良く代表し、軍事基地の縮小・撤去、日米安保条約の解消など、中期的な基本政策において私たちと一致しています。
社会民主党は、旧総評系労働組合の一部などが支持基盤ですが、組合の指導部は民主党や自民党・自由党などとも結び、勢力の衰退と不安定化が進んでいます。社会主義の目標をもたないばかりか、日米安保条約・自衛隊・消費税などを容認し、小選挙区制や介護の保険化推進などの重大な過ちを反省していません。
日本共産党は、「二つの敵」論を基本にして、「国旗・国歌」の法制化を認め、連合政府における日米安保条約問題の凍結を打ち出し、有事などでの自衛隊の活用を認めるなど、誤った「右ウィング論」で保守勢力につけこまれ、運動に混乱を生じさせています。また党の利益を階級全体の利益や大衆闘争や少数者の人権よりも上に置く体質を持っています。
しかし社民・共産両党とも明文改憲には反対し、憲法違反や人々の生活と権利を侵害するいくつかの課題にも反対の立場をとっていることを評価して、私たちは憲法改悪阻止闘争において、また実質的な憲法改悪につながる諸運動において、沖縄社大党はもとより、社民、共産両党なども含む広範な労働者・市民を結集した共同戦線を組みます。民主党の良心派にもその門は開かれています。
広範な共同戦線を成功させ、それをさらに発展させるためには、21世紀の新社会党が大きくなりながら要の任務につく以外にありません。
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