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第T部 私たちは何をめざすか |
2.私たちのめざす社会主義社会
《四つの基本目標》
私たちは、未来を失った資本主義に代わって、次のような人間的で民主的な社会主義社会の実現を長期的な基本目標とします。
(1) 民主主義をあらゆる分野で発展させ、直接民主主義を大切にします。
(2) 経済的には、利潤中心主義に代わる、搾取も失業もない人間が主人公の共同的システム。
(3) 社会的には、差別も環境破壊もない、ゆきとどいた教育や生活権が保障される人権と共生の社会。
(4) 国際的には、戦争も軍備も格差も貧困もない連帯と共生の世界。
(1) コミュニティーと自治を基礎とする、民主主義が満ちあふれる社会血の通わない弱肉強食の社会に代わって、お互いの顔がみえ、すべての人格が尊重される、地域的・社会的なコミュニティーが、私たちのめざす社会の基礎となります。このコミュニティーを支えるのは、一人ひとりが主権者となる直接民主主義です。
国や自治体レベルでは議会制度など間接民主主義が不可欠ですが、住民投票をはじめ、常に民意が正確に生かされるよう可能なかぎり直接民主主義も重視して、間接民主主義を充実させる社会です。取り組むべき内容が深く検討され、弱い立場にある者の意志や人権が大切にされる発展した民主主義です。いいかえると次のような特徴を持っています。
@ あらゆる場に庶民のための民主主義が満ち溢れる、官僚主義に無縁な社会。
A 議会制民主主義を発展させ、金権・腐敗が生まれる余地のない民主的な選挙制度と解職制度を有し、特権的官僚のいない社会。
B 住民の自治権が確立された、直接民主主義重視のコミュニティーが基礎となる社会。
C 女性も男性も対等な人間関係のもとで、平等に個人として尊重され権利が保障される社会。
D高齢者も障害者もあらゆる活動に参加できる条件を地域につくる社会。
E思想・信条・信教・結社などの自由も保障される社会。
(2) 資本に搾取されたり首を切られることのない、人間が主人公の共同システム」 日本で有業者人口の8割を超えた労働者階級は、今日では生産手段を持たず、労働力を買い取ってもらうしかない階級です。労働者は資本に従属して搾取され、働いた成果は企業のものとなってしまいます。生産性を上げるほどに労働力はたえず過剰となり、首を切られ、労働者の生存はますます不安定になります。
高校や大学を出ても定職につくことすら困難になり、多くの青年が絶望の淵に投げ込まれています。
私たちのめざすのは巨大企業は名実ともに社会全体の共有財産となり、働いた成果が自分逹みんなのものとなって、老後を含めた生活と福祉の向上に直結する社会です。それは次のような特徴を持っています。
@ 労働者が社会的企業の主人公になって、資本に従属し支配されることがなく、労働力が商品ではなくなり、失業も搾取もなくなる社会。
A よりよい技術で生産性を上げることが、失業や不況の発生ではなく、労働時間の短縮や豊かで安定した生活、福祉の向上となる社会。
B 社会的企業は名実ともに自分たちの貴重な共同の財産と実感され、労働者が主体的・民主的に管理運営する社会。
C 戦争や抑圧、その他の人間性無視や環境破壊の労働から解放され、個々人の創意と意欲が発揮され、労働そのものが生きがいとなり喜びとなる社会。
D 新卒者はもとよりすべての青年が夢と希望をもって職に就くことができ、素質を全面的に開花させながら、子どもを生み育てることも、さまざまな活動もこころおきなくできる社会。
E 高齢者にも、障害者にも働ける「人にやさしい職場」をつくる社会。
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