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第U部 私たちはどんな時代に生きているか |
(4) 保守基盤の分解と連立政権 一方では、中小企業や農民の解体や地位の低下にともなって「自民党一党政治」の支持基盤が細ってきているため、細川政権以降は中間的な諸政党をまきこんで連立政権の形で政権を維持しています。 さらに近年、新自由主義の強引な推進の結果、切り捨てられた中小企業や農民や労働者は記録的な倒産、失業の渕に投げ込まれています。また中国等への工場移転によって、国内産業の空洞化が急速に進行しています。 大資本の支配も、このように、多国籍資本と国内経済との矛盾の拡大によって自ら足元を掘り崩しつつあり、私たちの運動しだいでは彼らを孤立化させうる条件を広げています。 他方、庶民の政治的怒りが表面化せぬよう、行政権力機構では、地方自治体には最低限の許認可権限は委譲しながらも中央権力は強化し、道州制の導入をも視野に入れた中央集権的な国家機構再編、自治体再編も着々と進めています。 国会の選挙制度の改悪など、民衆の意思を政治からますます排除し、民主主義を切り縮めつつあります。企業内統合の弱体化と経済のグローバル化のもとで、「日の丸・君が代」を法制化して強制し、新たに国家主義、国家意識への「国民統合」をはかり、天皇制イデオロギーも強制しています。
(5) そして憲法改悪が日程に 保守勢力と財界は、このような政治に対して当然強まる民衆の不満と反抗を抑えこむため、国民総背番号制や盗聴法、団体規制法を制定して国民への監視・管理体制を作りあげようとしています。 教育制度の規制緩和をほぼ仕上げた財界・政府・教育行政は、意にそわぬものを「問題児童」、「指導力不足・不適格教師」などとして排除・追放をすすめるとともに、教育基本法の改悪作業に着手し、国家主義と戦争体制に教育を総動員しようとしています。 「テロ対策特措法」、「改正自衛隊法」と有事立法は、「周辺事態」ばかりか全世界での自衛隊の戦争加担を完成させるとともに、「有事」「緊急事態」「テロ対策」などを口実に自衛隊が日本国内の民衆を抑圧する体制を一層強めます。これらの行き着く先は国際国家対応型の装いをこらした憲法改悪にほかなりません。
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