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第U部 私たちはどんな時代に生きているか |
(3) 労働者のたたかいの発展の芽
こうした労働者の企業内統合支配の大転換は、企業横断的な労働者連帯の客観的な条件となります。しかし長年、労働運動が企業別に分断されてきた日本では、資本の攻撃が強まるほどに労働組合が企業主義に閉じこもりがちです。そういうなかで、労働者の階級的な連帯を形成するには労働者政党をはじめとする企業から自立した勢力による意識的・長期的な助力がとりわけ重要です。国家的不当労働行為とたたかう国鉄闘争、不当解雇とたたかう争議団、資本主義的合理化に反対して人間らしく働き続ける職場条件を勝ち取るたたかい、企業内組合の意識を払拭するたたかい、非人間的な「使い捨て」リストラに職場と地域で抵抗する労働者の連帯、地域ユニオンによる不安定雇用労働者の組織化、外国人労働者との連帯、住民運動との連携、市民運動との共同行動等が各地で取り組まれ、あるいは芽生えています。
また教育や自治体、交運などをはじめ、労働組合の中に、職場・地域・県レベルでのたたかう組織づくりや産別の階級的統一闘争を再建する努力も続いています。
これらをいっそう発展させ、労働運動が企業から自立し、就業者と失業者との階級的連帯もめざし、生活を守り憲法改悪を阻止するという「原点」に返り、それを通じて階級的で民主的なナショナルセンターが確立されなければなりません。
私たちはその先頭に立ち、労働運動が職場の団結から企業を越えた運動へと発展するよう精神的影響力を拡大・強化します。
(4) ますます増える年金生活者もたたかいへ
まもなく1千万人にのぼる年金生活者の多くは、額に汗して働いてきた労働者にほかなりません。この人びとは、失業、再就職の困難、消費税の引き上げ、年金や医療の改悪、低金利政策、悪しき介護保険制度などによって、人間らしい生活を営む権利を奪われています。
またこの世代の多くは、あのいまわしい戦争の直接・間接の体験者でもあり、憲法を踏みにじって生活と平和を破壊する道に対して強い批判と危惧の念をもっています。
私たちは、年金生活者・高齢者が自らたたかうことのできる組織づくりに協力し共同しつつ、高齢者が安心して暮らせる生活保障の先頭に立ってたたかいます。
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